『末法/Apocalypse』at 細見美術館

    • -

知人と細見美術館へ行った。初めての訪問である。どうも、実業家による日本美術のコレクションというものを遠ざけたい気分がわたしにはあり、しかも、三代にわたる募集品は神道、仏教、茶の湯琳派若冲を網羅する優品揃い、美術館の建物も素晴らしい様子、と聞くと、遠くから眺めるばかり。---わたしが、間違っていました。最初(1998年開館)から観ておけばよかった。展示空間は精緻で光に満ち、仏様が浮かびあがる。影の演出が、見る者の心象を映すようで、時間を忘れた。
 年内、24日(日)までの『末法 / Apocalypse ── 失われた夢石庵コレクションを求めて』と題する、コレクター「夢石庵」氏による一人称の展覧会の魅力に、やられてしまった。規模には天地ほどの開きがあるとはいえ、わたしも「自分自身がその存在を賭けて美しいと言えるものを贖う。」者の係累、会場でスナップ写真を撮れないのは、残念だけど、骨董世界の魅力は、要立ち入り注意ですね(笑うしかないけど)。木造天部立像(平安時代前期)、弥勒菩薩立像(鎌倉時代)、愛染明王象(鎌倉時代)等々--- の旧蔵者のお名前を確認しながら、よだれを垂らしておりました(ショーケース内だから大丈夫)。よろしいな。いつか「石原輝雄旧蔵」として、どこかの美術館にコレクションが置かれる日が来てしまうんだろうな(合掌)。

    • -


サラダ&前菜

鑑賞の後、知人と館内のイタリアン、カフェ・キューブでランチ、美味しゅうございました。

    • -


ラグー・デ・マーレ 相方はサーモンとしめじのクリームソースパスタ

珈琲