雨読の一日

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軽い読み物にしか興味がないのだけど(重いのには手が動きません)、と言うと叱られますが、『美に生きた細川護立の眼』(求龍堂、2010年刊)と『中島誠之助先生、日本の美について教えてください。』(祥伝社、2017年刊)を読んだ。どちらも、わたしのコレクション道をてらす道標になってくれる。特に後者は、エフェメラ集めが古来からの日本人の感性に合うと合点がいった。例えば「たなごころの思想」の章には「手にすることで、それをつくった陶工とか、それで茶を飲んだ茶人とか、あるいはそれを鑑賞した人々と同じ思いを共有することができる。その人々になりきることができる。」(154頁)とあって、「古い茶碗」を「古いカタログ」と置き換えたら、そのまま、わたしの気持ちにドンピシャ。