箱好きのマルセル

撮影 2018.10.02 9:29 この行列、ほとんどのお目当ては『特別展 京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ』展です。

東京国立博物館 正面建物は表慶館デュシャンの展示は奥の平成館特別第1・2室

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油彩『ぼろぼろにちぎれたイヴォンヌとマグドレーヌ』(1911) 『肖像(デュルシネア)』(1911)

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箱好き、箱狂いと言えば、ジョセフ・コーネルを思い浮かべるのが一般的、だがマルセル・デュシャンも相当なものだった。彼と箱との関係については横山正さんの『箱という劇場』(王国社、1989)に詳しいが、箱を手がかりにして彼の仕事を具体的にたどれる今回の展示は、ちょっと、よろしい。生涯に渡る仕事が大仕掛けな箱と言える<遺作>へと繋がっていったと再確認しながら、楽しく拝見した。箱の構造は「男の子」的で、えらく感情を刺激するのである。瀧口修造さんも好きだったと聞いた。
 ところで、展覧会のカタログ図版から実物を想像できないのもののひとつが箱、中身を手に取れないのを我慢しつつ、写真に撮った。展覧会未見の方の参考までに、スナップを掲載しておきたい。尚、作品番号は『デュシャン 人と作品』によったが、( )内に、出品目録の番号を付した。

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28(27) 1914年のボックス 1913-14

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74(59) 1932年のボックス 1932

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92(82) 彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも (グリーン・ボックス) 1934

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147(151) ドン・ペリニヨンの箱 1965頃

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93a(83) マルセル・デュシャンあるいはローズ・セラヴィの、または、による (トランクの中の箱) 1966

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127(129) 不定方にて(ホワイト・ボックス) 1966

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 ときの忘れもののブログに連載した京近美での『泉』100周年展報告「マルセル、きみは寂しそうだ。」は5回で終了させていたのだが、第6回として東博での展示について書かせていただいた。そちらも読んでいただけたら嬉しい。 →  http://blog.livedoor.jp/tokinowasuremono/archives/53362606.html

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