マン・レイ油彩『女竪琴』1957

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インスタグラムから引用

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サザビーズ・ロンドンで26日に行われた「シュルレアリスムアート・イヴニングセール」の結果が判った。アルプ、マグリット、ミロ、エルンスト、ピカビア、マン・レイ、マッタ、ブローネル、デュシャン、キリコなど定番作家の全17ロットで、総売上約20億円(未落札5点)。最高価格はマグリットの油彩『モーニングスター』で邦貨7億8千万、ついでピカビアの『アトラタ』が5億4千万。我がマン・レイは三番手に入って2億3千万となった。赤を使った明るい色彩と裸体表現、作品サイズ(160.5×96cm)が好評を得た結果なのだろう、予価の1.5倍ほどになる好成績だった。

 女性の身体を楽器に見立て、エロティックな楽曲を奏でる指先が、艶めかしい本作は『女竪琴』の題名で1957年の日付。ハリウッドからパリに戻りフェルー街のスタジオで一連の怪物を描いた「現代の神話学」シリーズを終え。新しく楽しい「愛」の女性像を始めた時期の大作、1930年代の不安感漂う絵画が、ジュリエットを得て満たされた雰囲気となっている。作者は67歳、わたしと同じ年齢と思うと、幸福なエロティシズムにわたしも包まれたい。でも2億3千万円とはね---ゴメンナサイ。

 そんな訳で、書棚から本作のイメージを表紙に使った雑誌「DE TAFELRONDE」のマン・レイ特集号(アントワープ、1968年)を取り出し、手の上に置いている。これはこれで幸せ、フフ。

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21.6×17cm pp.100