紙片現代美術視 ── 篠原佳尾旧蔵資料より

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表面 257☓182cm pp.122 制作200部 非売品

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ある方から、版画家の篠原佳尾旧蔵資料を紹介する貴重なドキメントが、和光大学の三上豊教授(近現代美術史)の編集で刊行されたと教えてもらった。そして、本日拝受(深謝)。篠原の展覧会葉書の表・裏面に挟まって冊子が生き生きとした顔立ちをしているから、これはただ事ではないと予感。ページを進んでみると展覧会エフェメラ類に異常に惹かれる小生として、たくさんの刺激を頂く展開となった。三上教授は古書目録の美術項目について「書籍から図録へ、エフェメラへと市場の巾が広がってきた」と指摘され、この関連から本冊子の性格が構成されていったらしい。三上教授の研究領域や成果を知る立場にはないが、巻頭の言葉に「紙片資料は、どこかへ飛んでいくことがその使命で、まとまることをきらう気味があるようだ」とあって、同病相憐れむ、いやいや、大変だなと思ってしまった。銀紙書房の『眠り姫物語』の次は、日本におけるマン・レイ受容史を予定するので、有り難い出会いである。

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裏面