夏休みの絵日記─ 2 あべのハルカス美術館

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チラシ 二つ折り

東京・パナソニック留美術館から巡回してきた『ギュスターヴ・モロー サロメと宿命の女たち』展が大阪・あべのハルカス美術館で開催されている(9月23日迄)。ブルトン繋がりで特別の存在となっているモローが描く宿命の女たちが気になっていた。展望を楽しんだ事はあるが美術館を訪問するのは初体験、そして、百貨店隣接の会場体験は久しぶり、お客さんが多く驚く。モローって人気あったっけ。

 彼の空間認識には時間を含む重層感があって、絵肌と観者との関係が理想的になっている。上手いと云うのではなくて、なんでしょうね、裸体の腰のねじれ具合が下肢と上肢連動で堂々としたボリューム、足の親指と人差し指との開きが大きくとられ、生身と云うより彫刻的な安定感、不思議な視覚体験をもたらしてくれた。

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会場入口 キャッチ・コピーは今ひとつ

 以下は気になった作品の備忘録(作品名では特定できないのでリスト番号も併記) No.3『自画像』頬の髭は加筆かしら。 No.29『アレクサンドリーヌ・デュルー』右足が気にかかる。No.36『洗礼者聖ヨハネの斬首』首のない死体が床に溶けていく。No.46『サロメ』色彩。 No.62『出現』(142☓103cm) 背景の文様はロマネスク美術「比較彫刻美術館アルバム」(1897)の写真をトレースして最晩年加筆、霊の存在を意識させるほど時間と空間を感じさせる。No.99『サロメ』(180☓90cm)歴史画から変化し画布の表面に宝石の髪飾りが盛り上がる立体感がすごい。No.116『メディアとイアソン』 英雄イアソンの性器、小さく描きすぎていませんか。などなど、

尚、モロー展は福岡市美術館に巡回し2019年10月1日(火)から11月24日(日)まで開催される。ブルトンのように深夜ただ一人となってパリで観たいですね、

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阪急電車 京都線特急

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桂川