---
日本の近代写真を代表する写真家で、同人誌『光画』を中山岩太、木村伊兵衛と共に主宰した野島康三の生誕130年を記念する特集展示が京近美で催されている(12月22日(日)迄)。同館では過去に大規模な展示がなされているが、久方ぶりに興味深く・楽しく拝見した。
仏手柑などをとらえた静物や婦人像、女の顔のシリーズなどおよそ46点。裸体のクローズアップなどで示す独自視点は、マン・レイやエドワード・ウエストンを彷彿させる。発表年などから相互の影響関係を調べてみるのも面白そうだが、これは進行中の「受容史」で行うとして、会場でブロムオイル・プリントの名品をいくつか見ながら、用紙の選択を間違えなければ、インクジェットでもそこそこ作れるのではと、年末に向けた京都写真展のアイデアが湧いてくるのだった。
それぞれの人物に魅力があるのは当然だけど、時の経過が写真に深みを与えていると思っわれた、わたしの写真では熟成がたりませんな。
---
『女』1933 ゼラチン・シルバー・プリント
---
---
『細川ちか子氏』1933 ブロムオイル・プリント