ルネサンス写本

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チラシ 表・裏

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友人が国立西洋美術館で開催中の『中世からのルネサンスの写本』展のチラシを送ってくれた(会期は8月23日(日)まで延長されている)。この展覧会は昨秋開催の『ゴシック写本の小宇宙─文字に棲まう絵、言葉を超えてゆく絵』に続く、個人コレクター・内藤裕史氏の収集品を紹介する展示。同氏は30年以上にわたって集めた彩飾写本を美術館に一括寄贈された(2016年春)と云う。同送された「コレクションへの道のり」と題するリーフで収集から寄贈に至る過程を拝読した。その中にはロンドンの画商との交流や、美術館の学芸課長にあてた手紙などが含まれ、小生も同感の部分が大であった。また、リーフの文末には換金ではなく寄贈に「黙って頷いた」夫人への感謝の言葉がよせられ、わたしのコレクションの行末を、またまた、考えてしまったのであります。凡人はいけませんな。

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「彩飾写本の一枚物は昔から、何かしら後ろめたい事情により切り取られて"孤児"になったという寂しい過去を背負っている。落ち葉拾いのように集めた物が多い私のコレクションは特に身元不明の物が多い」 ------「美術館の研究員たちの手により身元が明らかになり、世界中に散っていた兄弟姉妹たちと数百年振りに再開する、あるいは一堂に会するという機会が来ないとも限らない」(「コレクションへの道のり」より引用)