おもちゃ映画ミュージアム

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後院通六角下ル

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健康散歩の途中、八木邸近くのお宅で「京都映画芸術文化研究所」のポスターを見かけた。近づくと出窓に古い映写機が置かれ、矢印には500メートル北とある。これは面白そうと、後日、訪ねてみた。

 場所は阪急大宮駅の北、徒歩で7分ぐらいのところ。染め物業の京町家を改装し展示空間とされた施設で「おもちゃ映画ミュージアム」の看板が掲げられている。それで、9月2日(水)から始まっている『パテ・ベビーと小型映画資料展』を拝見(入場料大人500円)した。

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 驚きました、すごいですね。デュシャンマン・レイ1920年前後に熱中した光学研究の現物があるではありませんか。ステレオスコープはフェルー通りのマン・レイのスタジオで見た記憶があるし、デュシャンと共作したステレオスコープは、オークションで見ます、見るだけですが。それに、デュシャンの『アネミック・シネマ』や、マン・レイの『エマクバキア』『ひとで』『サイコロ城の秘密』などを上映した可能性のある同時代のフランス・パテ社やドイツ、イギリス、日本の1920・30年代映写機がずらりと並んでいます。ここで疑問がわきました『ひとで』は16mmじやなくて、9.5mm(パテ・ベビー)に焼き付けた可能性もあるのかしら。

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ソーマトロープ

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ブラキシノスコープ

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ステレオスコープ

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映写機のラインナップ 壁面には『戦艦ポチョムキン』のスチールも飾られています。

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 ここでは、実際に手にとり、光学を楽しめるようになっている。頂いたチラシに、「劇場上映後に切り売りした35mm映画フィルムを『おもちゃ映画』」と云うや「19世紀産業革命の時代に」起こった映画の成り立ちを「現実を科学的に記録する『写真』、残像現象や仮現運動を利用した動画装置である『光学玩具』、画像を拡大し、多くの人に見せる『幻燈機』」の3要素にあると説明されていた。マン・レイたちが映画に取り組んでいたのは100年前。当時の機械の前にたつと、カメラを回していた映画人になった気分です。詳しく親切な解説をお聞きし、楽しい時間をすごした。ありがとう。

 同館は2015年5月18日開館、詳しくは→ 

toyfilm-museum.jp