南仏紀行-25 20世紀とその資料書店

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センターに続く手前のミシュレ広場に面して古書店がある。きっとリブレリ・アルカードの吉永昭夫がお薦めと言っていた店だ。洒落た作りの白い外装で、ディスプレーされた書籍の写真を撮る。これは期待が持てそうだ。(129頁)

 

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主人は再び書庫に降り、さらに貴重な一冊をひろげる。一九七二年にパリの市立美術館で開催されたマン・レイ回顧展のカタログ、まっさらの極上品。わたしの手許で保管するのは神戸のトアロード画廊で『ダダ・メイド』と云うオリジナル作品を買った時に、おまけで貰ったヨレヨレの一冊。パリで状態の良い物との出会いがあれば購入したいと思っていたのだ、主人がタイトル頁を拡げると中央にマン・レイ自身による献辞が青い文字で書かれているではないか、これは非売品だろうな、欲しいけど売ってくれるのかと上手く英語で伝えられない。(130頁)

 

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それで、記念にと、サインの入ったページを拡げている主人の写真を撮らせてもらう。資生堂でのリーフレットをプレゼントし名刺交換。ゆっくりと書棚に食らいつき、あれこれと手に取ればシュルレアリスムに関する珍品が見つかるだろうと思うのだが、時間が許さない。 (131頁)