南仏紀行-33 アラントン書店

f:id:manrayist:20210402103708j:plainマラケ河岸に出て造幣局、フランス学士院を通りすぎアラントンの店へ。ここの扉もロックされている。しばらくして開けてくれたので「マン・レイのカタログが有りますか」と尋ねた。豪華本の類について発言したら良かったのかもしれないが、どうも、勢いが失せてきた。この心の状態、出会いの魅力が薄れてしまう、本は何も無く、目の前に現れわたしの指先を愛撫することが無い。(148頁)

 

f:id:manrayist:20210402103729j:plain

f:id:manrayist:20210402103744j:plain

二〇年前、この店でシュルレアリスム画廊版の『回転扉』とギャラリー二十世紀刊の『時間の外にいる女達のバラード』を拝見したのにな。今回は資金もなく一人だ。せめてもと、店の外見を写真に撮る。(149頁)