南仏紀行-37 スキポール空港

2006年3月11日(土)

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あきらめてゲートを進むと、透明チューブの先にKLMの小型機が待機している。ちょっとSFの世界だと写真をパチリ。離陸は一〇時三四分、オランダのスキポール空港には十一時二四分に到着した。九日前にこの飛行場から欧州が始まった。わたし達は振り出しに戻った訳である。(165頁)

 

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疲れたわたし達はゆっくり腰掛け、青い機体を見ている。その胴体には「空飛ぶオランダ人」と書かれているが、ある画商が、どのオークションに出品しても買い手のつかないマン・レイの写真を、同じ名前で呼んでいたのを思い出した。広い空港内を荷物を積んだカートが列車のように連なって走り回っている。関空行き八六七便の出発予定時刻は十四時五分、娘達は何処かへ行ってしまった。(166頁)