真宗信徒生命保険株式会社本館(現・本願寺伝道院)

in『モダン建築の京都』展 2021.9.25-12.26f:id:manrayist:20211204224914j:plain2021.11 真宗信徒生命保険株式会社本館(現・本願寺伝道院) pp.66-71 竣工: 1911年 煉瓦造地上2階(一部3階)、地下1階 設計: 伊東忠太 施工: 竹中工務店。 英国ヴィクトリア様式を基調とする煉瓦造り外装、イスラーム様式塔屋・八角ドーム、斗挟形支え、擬宝珠月欄干。設計者の伊東忠太(1867-1954)は、1902-05に亜細亜、欧米を巡る世界一周留学、西洋建築と東洋建築の折衷や融合をテーマとした「建築進化論」(石材や鉄に依存しつつも欧化でも和洋折衷でもなく、日本建築の木造伝統を進化させること)を提唱。中央亜細亜における仏教遺跡の調査を実施した西本願寺大谷光瑞と、伊東の出会いから、この建築がなされた。生命保険会社から、電鉄会社、電力会社、診療所と使用者が代わり、本願寺伝道院となったのは1962年、2011年の保存修理工事を経て、2014年重要文化財指定。

 カタログには「西本願寺の後援のもとに設立された真宗信徒生命保険株式会社の社屋として建てられた。和の近代化を目指した本作は、仏教の近代化を模索した京都との関わりも深いといえる」と記載されている。

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 西本願寺御影堂から堀川通りをはさんで東に伸びる門前町に、異国情緒あふれる本作を望むことになる。「秋の特別公開」を楽しませて頂いたが、館内パチリが禁止なのは辛いですな(英国・ミントン社製の輸入磁器タイルの床材など、記録しておきたいけど)。

 

f:id:manrayist:20211205211145j:plain半券 5.5×12.9cm  

[ときの忘れもの拙稿] 『小さなカタログ、見上げる建築』 『親しげなヴォーリズ建築』