カタログ 2-3頁
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スイスのクールに住む建築家・杉山幸一郎(1984- )さんが帰国され、「杉山幸一郎展 スイスのかたち、日本のかたち」と題した初個展が、駒込の画廊・ときの忘れもので開催されている(1月29日迄)。コロナ禍の厳しい環境の中、やっと実現できた開催と聞く。清楚なカタログを拝見しながら、特に『Line & Fill Object』に惹かれた。色と形、素材の組み合わせ、鉛筆削りの「金属らしさ」が、破壊し再生する芽吹きを秘めているようで、「サイズ感の愛おしさがこたえられない」と、観ていないのに思う。
カタログ 20-21頁
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昨秋から戦前京都のモダニズム建築を見上げ、ブラパチばかりしてきた小生には、国を背負う権威主義に胃もたれの感があり、ありがたいカンフル効果になってくれた。カタログから杉山さんの言葉を引用したい:
何かを作り出そうとするよりは、デザインしようとするよりは、自然なふるまいからカタチが現れてくるような。デザインを考える時に、はじめに強いカタチが現れてくるのではなく、結果として最後にカタチが現れてきた。というようなプロセス。それがスイスに合っている建築の在り方だと思うようになりました。(5頁)
展覧会カタログ 21 × 14.8 cm pp.48
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展覧会の様子、作品のコンセプト、オブジェやドローイングなどが画廊提供のYouTubeで紹介されている。人柄と作品の一致、杉山さんはそうしたタイプの建築家なんだろうなと、思う。楽しい動画で、画廊とクールを行き来しているみたい。