京都帝国大学本部本館(現・京都大学百周年時計台記念館)

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2021.11 京都帝国大学本部本館(現・京都大学百周年時計台記念館) p.295 竣工: 1925年  鉄筋コンクリート造地上2階地下1階建 設計: 武田五一、永瀬狂三、藤井厚ニ、坂静雄 施工: 清水組。大学自治の思想は京大において特に強く、1933年の滝川事件、1960年代の大学紛争などの舞台となったのが、この時計台。かっては全学最大の法経第一教室が一階、儀式を行う大ホール、総長室、貴賓室などが二階にあった。2003年に京都大学百周年時計台記念館に改修された後は、「社会に開かれた情報発信の場」になっていると云う。

 京都風光によれば、建物は初期コンクリート造り、外壁は焦げ茶色タイル貼り、正面入り口車寄せ、全面柱型上部などにセセッション的意匠を認める同様式最後の大作。直線的な装飾、平面的な外壁面に特色があるとされる。当初の時計はドイツ・シーメンス社製電気時計、文字盤照明装置設計は武田五一。尚、正面の楠の大木は室戸台風(1930年)で折れ、現在のものは二代目。

 

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 一階歴史展示室の本部構内再現模型、1939年時点の構内を1/150で再現。「九割近くは図面や写真が残っていたので再現することが出来たが、もっとも困難を覚えたのは建造物の色であった」(概略)と小冊子に記されている。

 訪問時には、企画展「京大図書館の起源──知の集積地として」が開催されていた。

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東面

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北西面

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西面

[ときの忘れもの拙稿] 『小さなカタログ、見上げる建築』 『親しげなヴォーリズ建築』