木島櫻谷『寒月』

f:id:manrayist:20220130084448j:plain京都市京セラ美術館のコレクションルームに初めて入った。3月26日(土)まで「冬期」展が開催されており、日本画、洋画、彫刻、陶器など70点あまりが展示されている。以前の京都市美の雰囲気を思い出す会場でありながら、随所に工夫があって楽しく拝見できた。
 秋野不矩『中庭の祈り』、太田喜二郎『ガンの橋』などの他、木島櫻谷の『寒月』などに眼をとめた。木島の本作について学芸員の森光彦は「夜の闇、月の明かり、影をたたえる竹、白く光る雪。そして孤独な狐。これほどまでに叙情的な光景をよく表した作品は、近代日本画のなかでも白眉といえるでしょう」とチラシで評し、1912年の文展で最高賞受賞にいたる東京と京都の関係などにも言及している。
 それはそれとして、小生も日本人であることを感じさせてくれた優品でありますな。本作だけがパチリが許されているのも、何かのサービスんなのかしら。衣笠に残されている木島櫻谷のアトリエや住宅については「建築京都」で紹介した

 

f:id:manrayist:20220130084454j:plain木島櫻谷『寒月』1912年  絹本着色 屏風 六曲一双 167×372cm

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f:id:manrayist:20220130084506j:plain京都市京セラ美術館と平安神宮大鳥居

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 地元で70歳を過ぎると、いつでも気楽にコレクションルームを楽しめます。ありがたいことですな。