in『モダン建築の京都』展 2021.9.25-12.26
2021.11 菊水館(現・レストラン菊水) p.273 竣工: 1926年 鉄筋コンクリート造地上5階地下1階建塔屋付 設計: 松村次郎(上田工務店) 施工: 上田工務店。本作は昨日紹介したレストラン矢尾政と双璧をなす京都市民のランドマーク、四条大橋東詰北側で南座に面し、京阪電車四条駅に隣接(地下化工事に伴って道路となり趣きは半減)する。屋上のビアガーデンと、月に五回、弦楽四重奏が演奏される一階ガラス張りレストランで知られるが、京都風光によると1910年代に同地で営業していた瓦煎餅の建物を改装した割烹店「菊水館」が前身、「ハイカラな西洋館でおいしい西洋料理を食べてもらい」たいと初代・奥村小次郎が、上田工務店の上田辰三とともに、日本国内や上海などで建物を見聞し、表現主義の特徴を基本に、アールデコやスバニッシュ様式を取り入れ、塔屋屋根の曲線や左右非対称でのリズム感、スペイン風瓦の使用、陶製人面像の装飾などを配し建築した。
小生は1970年代に、ある版画家の結婚披露パーテーに出席した日を思い出す。
---
戦前の絵葉書
レストラン矢尾政(現・東華菜館)からの俯瞰写真
---
南西角
[ときの忘れもの拙稿] 『小さなカタログ、見上げる建築』 『親しげなヴォーリズ建築』