カタログ 26×19cm 272pp.
● フランス北西部ノルマンディーの都市ルーアンの美術館でアンドレ・ブルトンの著作『ナジャ』に焦点を当てた展覧会が催されている(6月24日〜11月6日)。近年の研究状況を反映してブルトンの前に現れた妖精レオナ・デルクール(1902-1941)の物語を示すための展示といえる。わたしは10代の後半に『ナジャ』を読んで魅了され、シュルレアリスムに導かれた者の一人。作品(オブジェ)の複製や写真(街路と人物)によって「物語」が現実に起こったと証明され興奮したのを覚えている。二人における1926年10月4日〜13日の出来事が、「絵画、彫刻、素描、文書、オブジェ、写真」を展示することで肉付けされ、心の動きがより具体的に明かされている。今展はシュルレアリスム宣言が発表されてから100年経つのを記念する企画の一つだと云う。
HPから引用
HPから引用
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ヴェロニク・ベルゲンは、「医学的な訓練と精神病理学の経験を積んだブルトンは、若い女性のような脆弱な存在に対して無意識を探求することの危険性を知っていたのだから、ナジャ/レオナ・デルクールの軌跡に対する彼の「責任」についての指摘は避けられない。『ナジャ』の文章には自己正当化の跡があり、「空気の精」、つまり今や自由を奪われた「自由な天才」を奪うドラマを前にしたある種の不安感が漂っている」と書いている。
38-39頁
158-159頁
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展示はおよそ120点(マン・レイは写真を中心に約9点)、カタログには図版未掲載(約30点)あり。また、『ナジャ』の本文差し込みがあるなど、フランス的エスプリを感じさせる書容設計となっている。