マン・レイのニューヨーク

8.9 × 13.8 cm. COOPER SQUARE

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「晴れた日には、絵具箱を下げて、高架鉄道に乗って終点まで行くと、そこはもうブルックリンのはずれだった」(19頁) ── マン・レイ『セルフポートレイト』(1963/1981)美術公論社 千葉成夫訳

 クーパー会館は、大統領候補に指名される前のリンカーンが「奴隷制に対する見解を練り上げ、西部諸州に対する適用拡大への反対を繰り返し訴えた」演説(1860年2月27日)の場として知られる。

 

8.9 × 13.8 cm. BROOKLYN BRIDGE

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「自由画の素描と機械製図を入れた紙ばさみをもって、ニューヨークのブルックリン橋の下の、ある古いすすけたビルの事務所に出かけて行った」(20頁)

 ブルックリン橋はドイツ系のローブリング親子及びその妻の設計により1883年に完成した鋼鉄ワイヤーを使った世界初の吊橋。

 

8.7 × 13.9 cm. HUDSON RIVER

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「事務所はさる大きなビルの十二階にあり、よく磨かれたオーク材の真新しい家具の配置の調和もよく、窓は大きくてハドソン河を見下ろしていた」(23頁)

 バッテリーパークはマンハッタン島南端に位置し当初は砲台として使われたが、公園として整備され自由の女神像とエリス島へ向う遊覧船の発着場となっている。