『茶の湯』展 at 京都国立博物館

今年は千利休生誕500年だそうで、茶の湯の名品が勢揃いする展覧会が開催されている。前後期に別れるが、凡そ240点。先日眼福のひとときを過ごさせていただいた。『桃鳩図』は別として、眼をとめたものを記しておきたい(前期展示の備忘録)。

 9.唐物文琳茶入 酸漿文琳  (中国・南宋─元時代 13─14世紀 ヤング開発株式会社)
11.黒楽茶碗 銘 ムキ栗 (桃山時代 16世紀 文化庁)
18.釘彫伊羅保茶碗 銘 あらし山 (朝鮮半島・朝鮮時代 17世紀)
42.龍虎図 伝 牧谿筆 (中国・南宋時代 咸淳5年(1269) 京都 大徳寺)
80.蘿蔔蕪菁図 伝 牧谿筆 (中国・南宋時代 13世紀 東京 宮内庁三の丸尚蔵館)
112.備前筒花入 銘 北向 (室町時代 16世紀)
118.銅水指 銘 玉輿 (15─16世紀)
144.竹茶杓 タヽイヘ様 千利休作 1(桃山時代 16世紀 京都 北村美術館)
160.唐物茶壺 銘 橋立 (中国・南宋─元時代 13─14世紀 京都 不審菴)
186.大井戸茶碗 銘 須弥 (朝鮮半島・朝鮮時代 16世紀 東京 三井記念美術館)

 この中で、印判に驚いた「竹茶杓 タヽイヘ様」が特に良かった。そして、道具を示す「銘」から受けた物語性と微妙なヒネリに、マン・レイがオブジェを名付ける感覚と近いものを感じた。言葉遊びの先に生と死が横たわる、現代美術と「茶の湯」の根っこは同じですな。

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