油彩『キキの肖像』1923年

 ディ・ドンナ画廊での油彩展(2019年)に出品されたピカ一のマン・レイ油彩がクリスティーズのオークションに掛けられた(ニューヨーク、5月17日)。小生とは別世界での攻防なれど注目していたが、エステメをわずかに超えたところでの落札、邦貨換算で2億2500万円。作家にとっても愛着のある重要作と思うが、他の作家ほど価格を刻みません。草間彌生の『かぼちゃ』(1991年)2億8300万や白髪一雄『蒲昌海』(1988年)7億1100万などの結果をみながら、ブームの行末に複雑、写真とオブジェだけのマン・レイが続きます。

 


 翌日の18日に出品された油彩のデカルコマニーである自然絵画(1958-1965)の方は、予価55万〜83万が660万円と8倍ほどの結果。予価の範囲なら買える思ったけど、仕方ありませんな──と、想像だけをしておりました。

 ● ジェラルド・ファインバーグ(-2022.12)は、ボストンの不動産王でホテル経営者「キュレーターのように考えるコレクター」だったとクリスティーズのサラ・フリードランダーが紹介しているそうだ。