光誕祭 第134回 at ブダペスト

今年の光誕祭は聖イシュトヴァーン大聖堂の「聖なる右手」繋がりとしたい。アンドレ・ブルトンの『ナジャ』に登場する「その手袋はやはり女物で……」に10代後半で惹きつけられた小生にとって、「手」のイメージは絶大。シュルレアリスト達は誰もが同様の「声」を聞き、描き、書いたと思っていたが、キリスト教世界では普遍的なテーマ。ブルトンも幼い頃から「聖なる右手」と出会っていたのではないかと聖遺物を見た瞬間思った。

「An Idea of Surrealism FROM MAN RAY TO MARIËN」展 2021年1月21日〜3月20日 ブリュッセルのMARUANI MERCIERのサイトから引用。感謝申し上げます。

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 「私はよく手の夢を見る」 上掲したオブジェ『Puéirculture(育児学)』は、石膏製の少女の手を彩色し植木鉢に植えたイメージで、マン・レイは「以前、通りを歩いていると、道からたくさん手が生えてきて、その手のなかを縫って進まなければならないという夢を見たのだ」(『マン・レイとの対話』136頁)と語る。

 

「聖なる右手」

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 ブルトンの青い手袋とブロンズの手袋の話、重さに驚かされる手袋についての話は、読み直すたび、 夢を見ているような気持ちになる。マン・レイの誕生日を祝う話題としては、不適切かもしれないが…… 来年の「第135回」を冠した展覧会準備進行中。