この先を右折すると欧州最大規模のシナゴーグ。昨日紹介した南塚信吾によると「ハンガリーにおけるユダヤ教徒への迫害は他のキリスト教国に比べて、ずっとゆるかった」らしい。マン・レイの両親が育ったウクライナとベラルーシュはどうだったのだろう、長男は屈折しつつも、勤勉な画家となったのですな。
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● デアーク広場を超えてオペラ座の方へ
アンドラーシ通り
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絵葉書を求めたとき、ブダペストの記念にと思い「ロバート・キャパ」の在庫有無も尋ねた。キャパはブダペスト生まれの偉大な戦場カメラマン、『ちょっとピンぼけ』(ダヴィッド社)は青春の愛読書だったのです。関連書が欲しいと思ったのだが「キャパ」が通じず「Robert Capa」と筆談。彼女の発音は「カパ」と聞こえる。その「ロバート・カパ」の名を冠した現代写真センターがアンドラーシ通りをオペラ座を超え右折した通りにあるのだった。でも、月曜日は休館、せめて外見だけでもパチリしたいと訪ねた。
Robert Capa Contemporary Photography Center (Budapest, Nagymező u. 8, 1065)
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14.7 × 9.9 cm
ゲルタとフリードマンの…… それはないか。
[メモ]
美術館の建物はエルンスト・ハウスと呼ばれ、世紀末から20世紀の初めにかけて知られた芸術のパトロン、美術品収集家ラヨシュ・エルンスト(1872-1937)の土地に1階に映画館、2階にコレクションを展示・収集スペースを持つ5階建てのアールヌーボー様式の邸宅風な仕上がりの施設として1912年に建てられた。ハンガリーの歴史に興味をもっていたラヨシュは「ハンガリー文化の記憶であるものをすべて収集し、若者が過去を大切にし、未来に貢献できるようにする」目的をもって活動を続けたが、1920年代の経済危機の影響で頓挫し、最終的には「1937年の春、ドナウ川に身を投げ、コレクションは競売にかけられた」。ハンガリー政府は2008年にカパの写真937点を購入、恒久的な拠点、研究と展示のためにブダペストの文化に貢献したこの建物に、2013年ロバート・カパ現代写真センターをオープンさせた。同館にはアンドレ・ケルテスの写真群もコレクションされており、魅力的な現代写真展が定期的に開催されている。丁度『報道写真家ロバート・カパ』の常設展示だった訳だけど、しかたおへんな。