『おとこと女』細江英公寫眞集 カメラアート社 1961年
昨日の朝刊に写真家の細江英公さんが16日、左副賢腫瘍で亡くなられたとの訃報が載った。享年91。二十歳の頃に氏の寫眞集『おとこと女』を中部学生寫眞連盟の先輩・杉山茂太氏から紹介され影響を受けた。1960年代の写真表現の良い部分を表している。久しぶりに頁を開く、エルスケンと福島辰夫がテキストを書いているのですな。後者のタイトルには「不幸の実像」と付記されている。
先輩の『SUD』には、『おとこと女』からの引用が顔を出していた。彼の書棚には『薔薇刑』『抱擁』『鎌鼬』などもあり懐かしい、筆者には『薔薇刑』や『鎌鼬』を求める財力がありませんでしたね、先輩の部屋で目に焼き付けておりました。下掲のサインをいただいたのは40年以上前の京都書院画廊での個展の折だったか…… 若い写真家に鋭い言葉をかけておられたのを思い出す。その後、京都寫眞クラブ繋がりでご一緒する機会に恵まれ、マン・レイのビンテージプリントの事などお教えいただいた。
今はお仕事を拝見し、謹んでご冥福をお祈りしたい。