
第9室 中央 レンブラント・ファン・レイン『テュルプ博士の解剖学講義』1632年 169.5 × 216.5cm 他
「解剖は腐敗から内蔵を最初に開くけど、絵画表現に適する腕からしている」とガイド氏。ギルドなどの市民階級から依頼される集団肖像画によって糧を得る画家にとって、依頼者を負担額相応の扱いで描くことは重要なことだった。これを逸脱して25歳のレンブラントが明暗のコントラストで描いてみせたのは、生気あふれる人々の解剖室内の一瞬。人々に驚きを与え名声が高まった。当時の解剖は社交イベントで、描かれている人物は街の名士たちだという。

Rembrandt van Rijn


1632年1月16日、処刑された犯罪者矢作り職人アーリス・キントの解剖。レンブラントは解剖図を参照して描いたとする説もある。小生も見入ってしまいました。
Johannes Vermeer
第15室
ヨハネス・フェルメール『真珠の耳飾りの少女』1665年 44.5 x 39 cm
大阪市立美術館で彼女を観たのは2000年だったか、2012年にも招来しているはずだが、神戸市立博物館には行けなかった。彼女は拙宅の子供たちに人気で、つられて観に行った記憶である。
本作は想像上の人物の顔を描いた「トローニー」と呼ばれるジャンル。典型的な人物像として描かれたようである。彼女に没入できない違和感は、そこにあるように思う。展示室の照明がいまひとつで、画面での「光の表現」を相殺する感じ、細密描写でないので、落ち着いた空間が必要なんだろう。

ヨハネス・フェルメール『デルフトの眺望』1660-1661年頃 96.5 x 115.7 cm
名古屋時代の友人の画家Sが、1980年代に本作を観て、感激を熱く語っていたので、気になっていた。「サイズが大きいので日本に招来されることはない」という説明だった。今回の旅行は、本作を観るのが目的だったと言っても過言ではない。
美術館のサイトには「オランダ・フランドル絵画黄金時代の作品で、最も有名な都市風景画です。光と影のたわむれ、印象的な雲が浮かぶ空、そして水面に映る微妙な建物の影には、この作品が確かな傑作である所以が認められます。
私たちは、デルフトの街を南から眺めています。風はほとんどなく、街には静けさが漂っています。この穏やかな様子は、水、街、空、という水平な三層の画面構成からももたらされています。街の建築物も実際より整えて描かれました」とある。
期待して観たのですが、老眼の進んだ小生には平板な印象だった。良い意味でのリアリテイがないのです。画家の生活圏で描かれながら細部は調整されているという。第15室の装飾と色彩が控えめで、窓から拷問博物館が望めたりするのが、判断を狂わせるのか。多くの先達が初見の後に本作の評価を上げているので、小生も再訪したら変わる可能性ありますな。
ゆっくり観たいと絵葉書を求めたが、上部がカットされ印象が変わる。絵葉書好きだけど、気をつけなくちゃと思った。

