
本日10時(日本時間23時)、メトロポリタン美術館で『マン・レイ: オブジェが夢見るとき』展開幕(2026年2月1日迄)。 事前情報ではレイヨグラムにフォーカスした展示で、油彩はあまり出ないらしく、展示規模は凡そ160点──60点強のレイヨグラフと100点あまりのオブジェ、版画、素描、映画、写真などと聞いていた。
小生、レイヨグラフといっても、ヴィンテージは少なく、オリジナル(制作時の複写)がほとんどと思って油断しておりました。それが、先週の内覧会以降、会場の様子がネットにアップされ、展示リストなども分かってきた。後の祭りとお断りしたうえでのメモになりますが、油彩やアエログラフ24点の内、未見17点、小生が熱望する作品は1915年の初個展に出品された『ダンス』と、東京の康画廊で見逃した『波』の2点。昔から画集で親しみ拙著レゾネ『マン・レイ方程式』で紹介した『切り絵』『濾過器』『アンポール』『一切を見すかす眼』『スウェーデン風景』『電報』などなど、ブルトン旧蔵のガラス絵『Dancer Danger』や、オブジェのオリジナル(再制作ではありません)と、頭クラクラです。
注文しているカタログ(338頁、65ドル)が未着なので、詳しいことはいずれ、このブログに書くつもりですが、マン・レイが「レイオグラフを一種のマルチメディア体験、絵画と写真、手作りと機械の中間に位置する新しい芸術として重視していた点で注目に値する」としている。観たいですな、でもね、ニューヨークは遠い、早く段取りすれば良かったと反省しきり。
尚、外伝で実業家のコレクター、ジョン・ブリツカー(サンフランシスコ)が、先年、写真作品として最高額を刻んだ『アングルのヴァイオリン』を含む、凡そ200点(マン・レイは30点強)の所蔵品をメトロポリタン美術館に寄贈すると発表された。2030年開館予定の近現代美術専門の新棟に所蔵されるという。

『マン・レイ: オブジェが夢見るとき』展会場、左の赤丸印、Gallery 199