『オブジェが夢見るとき』展 カタログ到着

Man Ray: When Objects Dream  Publisher: The Metropolitan Museum of Art Author: Stephanie D'Alessandro and Stephen C. Pinson Pages: 338 Illustrations: 361 Format: Hardcover Dimensions: 9" x 10" Price: $65.00

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 昨日(10月3日)、注文していたメトロポリタン美術館での『オブジェが夢見るとき』展のカタログを受け取った。

 マン・レイの写真集に寄せたツァラのテキスト「物体が夢を見るとき」からの引用が優しい紙を打抜く寸前で止まり、活字から光がもれている。展覧会の意図を象徴する美しい導入部、待ちかねたカタログに気もそぞろ……

 

触れるもの、食べるもの、噛み砕くもの、目にするもの、肌に塗るもの、押すもの、舐めるもの、壊すもの、すり潰すもの、横たわるもの、見出すもの、敬うもの、冷たいものも熱いものも、女性的なものも男性的なものも、昼のものも夜のものも、私たちの人生の大部分を毛穴を通して吸収する物…これらは、優しさの光によって透明性に驚かされる投影であり、眠りの中で夢を見て語る物なのです。(トリスタン・ツァラ)

 

 動画で学芸員が述べていたように、『妙なる野』から始まり、『エレクトリシテ』で幕を閉じる展覧会の構成が、カタログでも見事に再現されている。二つの作品集の頁を開いているような錯覚に誘われてしまった。

「妙なる野」(1922年)

「エレクトリシテ」(1931年)

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 これから、動画と図版を見比べながら、作品の状態、サインの様子、額との兼ね合いなどを確認し、できれば会場の展示構成を図面にしたい。ニューヨークに行けなくても、じっくり拝見することは可能であると証明せねばと、負け惜しみ。