フィゲラス

 今宵は記念日、お祝い事とも重なったので、家人達と祇園縄手上ルのフイゲラスで夕食。狭い階段を三階まで上がって、20年振りとなるかな、なつかしく、二階のテーブルについて生ビールで乾杯の後、肉のサラダから始めて、タコのガルシア風、バレンシアパエリア、ムール貝のグラタンなどをいただく、アツアツでよろしい。じゃがいものパンで調子を合わせつつ、美味い。でも、ビール三杯で酔っ払ってしまった。弱くなったんだな。家人が浅間山荘の映画を観た帰りだったので、そんな話を、あれは1972年2月28日のこと、わたしは、就職前の全日本学生写真連盟の合宿で、旅館のテレビで釘付けになって見ていたっけ。フイゲラスが開店したのは1978年。学生運動の余韻があったな、食事の後、店の人と話していたら、「最近、オープンした頃に来ていたと云う、お客さんがよく来られる」と言っていた。みんな、なつかしむ、そんな、タイミングなんだ。

 お店の「ぐるなびクーポン」を使うと、5月31日まで10%OFFで食事をすることが出来る。美味しいので、ぜひ、どうぞ。

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 帰宅すると東京の田村書店からの宅急便が届いていた。開けてみると、先日、提出した宿題の合格発表、嬉しい。帯付の「巴里新興絵画選集」(平凡社 昭和8年刊)。この一本は珍品で(先の巴里・東京新興美術展覧会目録と遭遇するより稀なんだ)驚喜する。I氏旧蔵のこの本には自作と思われる和紙のケースが付いていて、きっと手に入れた時、愛着を持って保護ケースを作ったんだなと思った。このわたしも、前任者と同じように愛してやろう、愛してしまうだろうと思う。幸せだ。