「写真の都」物語 30 ── 名古屋市美術館

名古屋市美術館 2021.3.20 --- 黒川紀章設計の名古屋市美は1988年4月開館。故郷に出来た新しい美術館なので当初から期待を持って活動を見守ってきた。竹葉丈さんの「名古屋のフォト・アヴァンギャルド」から始まり満州に迫った一連の展示、山田諭さんの「日…

「写真の都」物語 29 ── 杉山さん、ありがとう

京都 1975年頃 ---- 杉山さんはI先輩と二人で四日市から鈴鹿を越えて桂のアパートまで来てくれた。深夜まで話をした時、Iさんから「言葉を曖昧に使っちゃいけない」と指摘されたのを思い出す。杉山さんの写真集『SUD』のタイトル・ページには「ある出会い …

「写真の都」物語 28 ── お疲れさまでした。

外出自粛が解除されたので、テレビ塔の近くで会食をした。 すると、どうでしょう名古屋テレビが寄贈した大噴水からの北側が、お洒落なショッピングモールに変身していて、驚いてしまった。中川理氏(建築史)の論評によると、都市公園法改正による規制軽減で実…

「写真の都」物語 27 ── 最終日・感謝の44日。

2月6日から始まった名古屋市美術館での「『写真の都』物語 ─ 名古屋写真運動史:1911-1972」展も、あっという間に最終日となった。コロナ禍の感染症対策で開催が延期されながらも、無事に拝見させていただくとができ、有り難く嬉しいことだった。この後は、そ…

「写真の都」物語 26 ── フォト・オピニオン

名古屋市美術館2階会場 2021.3.28(日)迄 「写真を楽しむということは、写真を作ることだと言いました」(山本悍右) 左から、杉山茂太『SUD』シリーズ、展示壁を越えて、石原輝雄「高校生写真」 左から、髙橋章『断層』、名古屋女子大『郡上』、展示壁にSugiur…

「写真の都」物語 25 ── 連盟バッチ

中部学生写真連盟・会員バッチ φ1.5cm ピンどめ 金文堂徽章製 --- 洒落たバッチはY氏所蔵の連盟機関誌に載った座談会記事によると、早稲田大学の雨宮俊一氏の発案で、美校の生徒が描いたものを富士フイルムの増田という方が手直しされたとか。「真中にレン…

「写真の都」物語 24 ── もう一つの写真記録

名古屋市美術館2階 出口から俯瞰、右: 石原輝雄、Sigiura Yoji「名古屋10.21」他、正面:名古屋女子大学「郡上」、右:全日「この地上にわれわれの国はない」 --- 今展では、会期中にも調査が進み新たに展示されたものも多かった。1970年前後の学生写真運動の…

「写真の都」物語 23 ── 写真集『足ぶみ飛行機』

--- 印画紙に焼き付けたプリントで鑑賞する「写真」というのは、当時の感覚とはズレていたように思う。印画紙はセレクトやイメージの確認に用いるもので、表現は、網目印刷の写真集。絹目の印画紙などは営業写真館の範疇で、ひどく時代遅れで、捨て去るべき…

「写真の都」物語 22 ── 内海・全日合宿、そして写真集『郡上』

内海大新旅館での全日合宿、1970.4.1-2 --- 集団撮影行動を岐阜の郡上で行った名古屋女子大学のHさんは、内海の合宿で「写真」に目覚めたと語っておられた。この合宿には小生も杉浦やYとともに参加したが、徹夜で語る「読む」写真というのは、何をもたらし…

「写真の都」物語 21 ── 髙橋章写真集『断層』現代高校生の記録

昨日のブログで紹介したように、全日合宿の夜を撮影していた髙橋さん。その人から当時の様子、「写真」についての問、「カメラと視線が一致する写真」そして、「断層」と云うタイトルに込めた思いなどをうかがった。彼は対峙する眼を持ち真剣に「写真」って…

「写真の都」物語 20 ── 1968.9.28 全日合宿

撮影: 髙橋章 --- この夜から人生が変わった。名古屋市美の最終解説会でスライドに現れた鶴舞で催された合宿の場面、高校2年生の自分を発見して嬉しいといったらありません。髙橋さん有難う、これこそが「写真」です。 2021.3.20 13:36 名古屋市美2階講堂

「写真の都」物語 19 ── '69文化祭御招待 at 名古屋電気工業高校写真部

名古屋市美術館「『写真の都』物語」展の最終解説会が本日20日(土・祝)午後2時から美術館2階講堂で催されます。講師は担当学芸員の竹葉丈氏でテーマは「東松照明と<中部学生写真連盟>」。東松については、すでに美術館で大規模な個展を開催しているので、今…

東松照明 プロ・デビュー

東松照明デビュー『やきものの町 ─ 瀬戸 ─』岩波写真文庫 165 18.3×12.7cm pp.62 1955年10月25日発行 --- 中日新聞 1967.6.9 山本悍右、後藤敬一郎対談「写真の美」(部分) --- (以下・引用) 「中央に出ると毒される」 山本 私は学生写真連盟の人たちを買って…

「写真の都」物語 18 ── 一次資料

名古屋市美術館2階 企画展示室 全日本学生写真連盟会報 --- 会報の創刊年は不明だが1965年4月の53号までが確認されている。連盟事務所には会報やタブロイドの包が沢山あり、これを椅子代わりに打ち合わせをしておりました。OBになって3年程後に富士写真フィ…

「写真の都」物語 17 ── 名古屋女子大学写真部『郡上』

名古屋市美術館2階 企画展示室 名古屋女子大学写真部集団撮影行動『郡上』 --- 民衆の歴史を写真で辿るその試みは、写真部員34名により、3年にわたり撮影された74点の写真によって構成された。---写真部OGにより(写真集が)発行されたのは、撮影から48年後の2…

「写真の都」物語 16 ── 石原輝雄、Sugiura Yoji

名古屋市美術館2階 企画展示室 石原輝雄『名古屋10.21』 --- 石原と杉浦は高橋に倣ってクラスメートのポートレートを撮影、さらに1969年、「国際反戦デー」に当たる10月21日には、名古屋広小路通りでの学生と機動隊の衝突に取材している。(竹葉丈 カタログp.…

「写真の都」物語 15 ── 高橋章『断層』、石原輝雄『高校生写真』

名古屋市美術館2階 企画展示室 高橋章『断層』1968-2020年 オリジナル・ネガからのニュープリント --- 高橋が名古屋に持参したクラスメートの写真とはスナップショットで撮影しながら、確実なフレームワークと適正な焼き込みを見せ、「アレ、ブレ、ボケ」を…

「写真の都」物語 14 ── 名古屋電気工業高校写真部『大須』

名古屋市美術館2階 企画展示室 『大須』私学展出品(写真パネル)写真資料5点 --- 中部学生写真連盟の合宿例会に参加し高橋章の作品に出会った名古屋電気工業高校写真部の石原と杉浦の写真表現は大きく変貌する。--- 写真集『大須』は、高校生による「共同制作…

「写真の都」物語 13 ── 杉山茂太『SUD』

名古屋市美術館2階 企画展示室 杉山茂太『SUD』(1968) 右下段は『SUD-EST I 洋子に』 --- 杉山茂太(1948〜2015)は、1965年9月から翌1966年3月まで<中部学生写真連盟>の高校の部の執行委員長を務めた。『フォト・オピニオン』創刊号において、杉山は表紙の作…

「写真の都」物語 12 ── 第2回 解説会

名古屋駅前 雨が上がりました。 --- 昨日は竹葉丈氏の解説会に参加。テーマは「前衛写真から主観主義写真へ── 写真家たちの戦前/戦後」。いろいろな疑問がほぐれた数時間だった。現像・焼付をしない(できない)アマチアたちが、店頭に置かれた海外の写真雑誌…

「写真の都」物語 11 ── あの頃の表現… →『大須』

--- 名古屋市美『「写真の都」物語』展の会期(3月28日迄)も折り返しとなった。この展覧会は巡回しないので、観ていない方には、ぜひとも名古屋まで足を運んでいただきたい。その援護射撃になるかと駒込の画廊・ときの忘れもののブログに展覧会のレビューを書…

「写真の都」物語 10 ── カタログ・記念出版

26.4×19cm pp.292 「『写真の都』物語」竹葉丈編著、株式会社国書刊行会発行、株式会社D_CODE[垣本正哉、河野素子、堂島徹]装丁・デザイン 2021年2月5日初版第1刷発行 --- 展覧会のカタログが一般書籍として店頭に並ぶようになり展覧会から離れて久しい。海…

「写真の都」物語 9 ── 客観と主観の交錯

名古屋市美術館 企画展示室 山本悍右(左)、後藤敬一郎 ケースにリーフレット『CARNET DE VIVI』No.1 (VIVI社、1948.6) --- 第二次大戦後の1947年、名古屋で高田皆義、山本悍右、服部義文、後藤敬一郎によって「VIVI社」が結成される。 後藤敬一郎(左2点)、高…

「写真の都」物語 8 ── シュルレアリスムか、アブストラクトか

名古屋市美術館 企画展示室 月刊写真雑誌『カメラマン』(1936〜1940)より21冊。第20号に「超現実主義の論理」(1938.5) --- ナゴヤ・フォトアヴァンガルドで坂田稔(1902-1974)は抽象造形と超現実主義写真の協同を展開したが、時代の要請が高まるとともに変化…

「写真の都」物語 7 ── モダン都市の位相

名古屋市美術館 企画展示室 展覧会初日 --- 1930年代初頭からの「新興写真」は、ドイツの新即物主義の影響を受けて始まったと聞く。表現の定義としては、客観的な把握と新しい美、生活の記録と人生の報告、光による造形。なんか、個人的には、いまひとつ。な…

「写真の都」物語 6 ── 写真芸術のはじめ

名古屋市美術館 企画展示室 --- 愛友写真倶楽部の快進撃: ゴム印画技法、ソフトフォーカス・レンズ。額装しての出品は合評会で高得点を獲得した会員の特権だそうです。 写真画集『銀乃壺』、愛友写真倶楽部『画集』他 日高長太郎(1883-1926)、大橋松太郎(189…

「写真の都」物語 第五報 ── 始まりました。

初日の朝一番(9時30分)から、名古屋市美術館の『「写真の都」物語 ─ 名古屋写真運動史: 1911-1972』展を拝見しました(3月28日迄)。熱心に写真を見入る若い人が多く、良い滑り出しの展覧会となっています。愛友写真倶楽部の作品、いいですよ--- 展覧会の報告…

「写真の都」物語 第四報

本日、2月6日(土)より、名古屋市美術館で『「写真の都」物語 ─ 名古屋写真運動史: 1911-1972』展が開催されます。小生、終日、美術館で拝見させていただく予定にしております。どんな展示になっているか、どんなカタログが出来上がったか、楽しみでありま…

「写真の都」物語 第三報

『「写真の都」物語 ─ 名古屋写真運動史: 1911-1972』展関連のグッズが紹介されている。美術館とグラニフのコラボレーションで、山本悍右さんの有名な『伽藍の鳥籠』(受話器が鳥籠に入っているものと、今回の外に出ているものなど)の一枚を使ったティシャツ…

「写真の都」物語 第二報

昨日に続いて『「写真の都」物語』ポスター(こちらは車内吊用)、東松照明の「神奈川・横須賀 1959」とSugiura Yoji「大須より 1969」が使われている。赤色のタイポグラフィーがストレートの訴求力でよろしいですな。古いネガをゴソゴソやって、学生達が通っ…