雙面劇場 1979.6.5 壬生西土居ノ内町
仕事で大阪へ。時間をつくり昼食にカロへ寄る。チキン・カレー美味しいですね。サービスを待つ間、書棚から「日本写真集史 1956-1986」(金子隆一・アイヴァン・ヴァルタニアン共著、赤々舎、2009.11.1刊 3800円)を取り出し拝見。写真集フリークとしては待ちかねた労作、さすがに金子さんのコレクション、涎が出てしまいます。氏のコレクション第一号がウイリアム・クラインの「ニューヨーク」だったとは嬉しい。収録39点の多くは、わたしも実際に手にしてきたし、書棚に現在も確保されている---「10.21とはなにか」(1969年刊)を頁で改めて出会うと、懐かしい気分で一杯となった。日本の写真表現は、オリジナル・プリントではなくて、写真集でされてきたんだよね。東京に住んでいたら、石原コレクションも充実したラインナップになっただろうな---発売当時に書店などで手にし、パスの判断をしたものも幾冊かある訳だが、パスしたわたしなりの基準を文書で残す必要もあるだろうな(その時期に来ている)。大判のこの本、印刷が良いし、価格もリーズナブル、独りよがりの写真集が氾濫する昨今の状況、次の世代に残されていくのは、誰の、どの写真集だろうか。今のわたしは横目で見るばかりだ。この点に関しては、若いコレクターの登場を期待したい。
1時から仕事を再開し、大阪銀行協会で夕方開放されてから大阪府立現代美術センターに顔を出し、「世界の写真展--花博写真美術館コレクション」と「モダニズム写真の鬼才--小石清」展を鑑賞する。丁度、竹葉丈編の「シュールレアリスムの写真と批評」を読んでいたので、モダニズムの写真家の事を考える、でも、小石清はわたしとは世界が違うな。機械好き・技法好きといったアマチアの写真に見える---わたしには精神性が必要だ。
細江英公「おとこと女」(1961)を紹介する頁、わたしは全日本学生写真連盟の先輩に別けてもらった。
谷町四丁目から大阪府立現代美術センターへ向かう
帰宅すると古い友人から電話。ブログで見る「雙面劇場」に関心を持ってくれたようで、来週、京都へ観に来てくれるとの話で嬉しい。この友人なら金子さんの「日本写真集史 1956-1986」をどんな思いでひもとくだろう、これから寝床で読まなくっちゃ---