写真がアートになったとき


『1985/写真がアートになったとき』青弓社、2014年刊。2000円+消費税

夕方、イノダコーヒー本店で6月に刊行された『1985/写真がアートになったとき』(青弓社)を開いた。やっと読む時間を見付け、アラビアの真珠を飲みながら石原悦郎、金子隆一飯沢耕太郎といった人達の言葉を楽しませていただく。わたしが写真の世界に関わりだした1985年のつくば写真美術館の出来事で、当時、ツァイトフォトサロンから案内状やカタログなどを送って頂いたのを覚えている。
 石原の発言に「やはり絵と比べると、写真家が伸びる時期というのは短くて、ある時期にグーッと力をつけないと、なかなか花が咲かないのです。」「その作家が自分で人生のいちばん大切な時期に、ほかを犠牲にしてそこにエネルギーをつぎ込んでくれないと、伸びないと思う。」とあって、なるほど、そうそうと納得。
 金子さんの写真集愛、クラインの『ニューヨーク』を評価する雰囲気が判るし、個人コレクションの位置づけについても同感する。金子さんは「写真集を含めた書物を見る場合、身体性とか身体感覚をもたないかぎり、最終的には資料をきちっと評価できないと思っています。」と発言されている。
 飯沢さんから、今回、「芸術写真から新興写真に劇的に変化した」ミッシングリング的なものとして淵上白陽を置く視点を与えられたし、草森紳一との「書くときは全部調べたらだめ」と言われたエピソードなど、本書は影響を受ける本となっている(深謝)。
 と、しばらく頁を捲っていたら、名古屋の写真家が登場した。氏の連作写真を拝見、中部学生写真連盟にもフォーカスを当てたいねと続き、小石清の『初夏神経』オリジナルを買いそびれた話しで落ちとなった。いやー、本当に買っておけばよかった(前掲書58頁参照)。

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 それから、洛旬万菜こしのへ移動し、生ビールで乾杯。大事な話をいろいろしたけど、飲みすぎて忘れてしまいました。

枝豆

お造り盛り合わせ

鱧の柳川鍋

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 新幹線の名古屋方面最終まで、夜風にあたりながらココア・タイム、道行く可愛い女性たちが気になって、ちゃんとした話しになりませんでした(反省)。

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 帰宅したら、石原悦郎さんの画廊ツァイトフォトサロンから移転案内の葉書が到着していた。オーナー氏は楽しそうにタクトを振っておられます。
9月1日からの新住所は、東京都中央区京橋3-5-3 京栄ビル1階