●「身近な事物や宇宙に内在する時間と秩序を、たゆまぬ観察力と壮大な想像力をもって探求し続けた、野村の創作の軌跡を振り返ります」(パネルから引用) 京近美・四階コレクションギャラリー
『真空からの発生』
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昨年10月3日に亡くなられた野村仁さんを偲ぶ、特集展示が京近美で催されている(3月10日(日)迄)。
京都で働き出したころ野村さんの仕事を知った。小生がプロテストの写真から「私写真」に変わった頃の出会いだったので、わたしの写真感を大きく変えてくれた。思考の痕跡を客観的に記録、あるいは、表現して作品化する「現代美術」のやり方は新鮮だった。後に「月や太陽の運行を定点観測」するようになられたけど、自身の行動(行為)を定点観測するやり方は、肉体が宇宙とともにある現れだったのではと思う。テレビ局に勤めておられたからか(玉子と鶏の関係みたいだけど)、新しいメディアに対する静かな好奇心に驚かされた。「目を見開いて、コピーすると、眩しいのよ」などと言っておられた。
小生の場合、会場写真をアップするとき画像のコントラストを強調することが多いけど、京近美の本展会場は、小手先の作為を認めない崇高な透明感に満たされていた。野村仁の世界は「天体の法則」を視覚化した「哲学」、新しい秩序を作り出す斥力のように思われた。
10月にこのブログで思い出話を書きました。→ https://manrayist.hateblo.jp/entry/2023/10/10/060000
京近美での「2023年度 第4回コレクション展 」の紹介。→ https://www.momak.go.jp/Japanese/collectiongalleryarchive/2023/collectiongallery2023no04.html
ケース右から『トポロジーチェンジ』『内部構造: 弦1』 壁面右から『天路1986年: ハレー彗星の回帰』『天路1910年: ハレー彗星の回帰』『天路2062年: ハレー彗星の回帰』
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●「HEARING」についての特別資料室 1970-1976 音声による記録、資料、写真/インスタレーション