抽象と現実: ポール・ストランドの写真を中心に at 京近美

京近美のギルバートコレクションは、1986年に京セラが購入したシカゴ在住のギルバート夫妻による世界屈指の写真コレクション1050余点が寄贈されたもので、20世紀初頭の写真作品の充実で特に知られている。久しぶりにポール・ストランド、アルフレッド・スティーグリッツ、ルイス・W・ハインの写真を拝見した。
 ハインのプリントは別として、展示されている技法はフォトグラビア、写真印画の耐久性に対する危惧から、グラビア印刷を表現の主流としていた時代の表現を改めて確認した。彼の地のフォトグラビアは日本のコロタイプと異なり、豊富な階調とシャープネスから、ゼラチ・シルバートと遜色の無い表現であるのを実感する。

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 資料好きの小生にとって、雑誌『カメラ・ワーク』と『291』の各号が展示されているのは嬉しい。後者は1915年3月〜11月の発行、マン・レイがダニエル画廊で初個展をした年ではありませんか…… 展示は12月17日(日)迄。