マグリット展 at 京都市美術館


京都市美術館

マグリット展 7月11日〜10月12日

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一昨日、サザビーズのプレビューに続いて京都市美術館へ。---白沙村荘前のバス停に岡崎公園を通るバスが丁度到着、冷たい車内の誘惑には勝てません(笑)。マグリット展を観るために上洛予定と云う東京の知人が、再開日を心配しながらメールをくれていた。---7月11日(土)から始まっていた京都市美術館の『マグリット展』は連日の酷暑に空調機器(湿度調整)が故障して28日から休業(4日間)、8月1日から再開。10月12日までの会期なので暑い時は避けようと思っていたのだけど、知人の思いが伝わって観たくなった。マグリットシュルレアリスム画家の中で、わたしの好きな内の一人。1937年にはマン・レイタンギーと組んでの3人展をブリュッセルで開いている。
 美術館内の南側が入り口で、空調を考慮した係員が扉を都度開けて対応、1920年の『風景』から拝見した。国立新美術館から巡回した今展は、国内で13年ぶりとなる大規模企画で世界中の美術館(ニューヨーク近代美術館、ワシントン・ナショナル・ギャラリー、シカゴ美術館、ベルギー王立美術館など)や所蔵家から集められた131点を展示。シュルレアリスムに関する文献資料で見ている代表作も多く、ファンにとっては、こたえられない展覧会となっている。

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 マグリットは早い段階でスタイルを決めた画家、シュルレアリスム的な置き換え「言葉とイメージ」で、読ませる絵画を生涯続けた。他の画家達と並んで数点を鑑賞するときの、存在感は申し分ないのだが、今回のように、同じイメージがバリエーションとして続くと、食傷気味となる。会場の都合でもあるだろうが、作品間に適切な空間を用意出来ないために、イメージが消し合って残念な結果だと思った。もっとも、個人的に『水浴の女』『冒険の衣類』『一夜の博物館』『新聞を読む男』『禁じられた書物』『自由の入口で』『光の帝国II』『傑作あるいは地平線の神秘』『青春の泉』『巡礼者』などに惹かれた。文献資料やマグリット使用のイーゼル立てなども並陳されているので、興味深い。チラシによると学芸課長尾崎眞人氏による講演「絵画の不思議学 日本のシュルレアリスムと幻想美術」が9月6日(14:00-15:30)に予定されている。

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 暑いのと、吉原治良を観た直後だったので、感覚が鈍っているかもしれない。涼しくなったら再度拝見したい。

言葉とイメージ パネル