2018 大晦日

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拙著『マン・レイの油彩が巡る旅』表紙

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昨年末にアマゾンの新刊紹介で知ったウィーンでのマン・レイ回顧展に全力投球した2018年だった。展覧会を観るオーストリア周遊の実録とマン・レイの油彩紹介に絞った拙著『マン・レイの油彩が巡る旅』を年末までに仕上げ、刊行を告知したところ当日中に用意した全冊に注文が入る幸運に恵まれ、苦労したかいのあった2018年だった。それなので、拙宅のミニ展示を本へのオマージュに模様替えして新年を迎えようとしている。読者の方々には展示品から書物の頁を連想していただけると思う。左から188頁、153頁、表紙。

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拙宅ミニ展示 左からローマでのマン・レイ回顧展(1975)ポスター、クンストフォーラムウィーン「マン・レイ展」記念絵葉書『サド侯爵の想像的肖像』、拙著『マン・レイの油彩が巡る旅』表紙
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 今年もいろいろな事があった。関西圏では6月の大阪北部地震、7月の台風、集中豪雨、猛暑。全国でも9月の北海道胆振東部の地震を筆頭に、天変地異にみまわれた日本列島だった。世界情勢の緊迫感も尋常ではない。世界の変革期が地球の生理とリンクした2018年、安寧の日々を切に願う。

 そうした年にあっても、相変わらずの能天気で「マン・レイ狂い」を続けられたのは、家族のおかげと感謝している。中心となった執筆は、ときの忘れもののブログ。マン・レイ展の実況報告となった6月6日の「そして、ウィーンから……」はもちろんだが、マルセル・デュシャンに関する連載エッセイ「マルセル、きみは寂しそうだ。」の続きで2月11日「精子たちの道連れ」10月8日「エロティックな左腕」11月2日「親しげな影」の3回、その他にも、京近美でのバウハウスへの応答展の9月4日「それぞれのバウハウス」、ART OFFICE OZASAでの宮脇愛子と瀧口修造展の報告7月2日の「不思議な取っ手」など。この他の2本を含めて宮脇愛子さん絡みの原稿を3本書くことになった。瀧口修造研究会会報「観覧」第四号での「マン・レイと宮脇愛子、そして、もちろん……」は7月の発行、画廊のカタログテキストは明年の発行になる予定(お楽しみ下さい)。

 コレクター生活については引退してしまったので、報告のしようがないが、図書館で新聞や雑誌のコピー点数を稼ぎながら、マン・レイ受容史執筆への準備を続けている。そんな訳でロンドン・ICAでの個展ポスターが最高額となった程度で新収集品は少々。それでも、昭和5年資生堂美術部で催された「尖端的フランス映画芸術展覧会」の目録は、貴重なものだった。

 家人とはオーストリア周遊の他、4月の名古屋・御園座こけら落しとなる歌舞伎、7月の天橋立旅行、12月の大東京旅行などを楽しんだ。幸せな一年だった。有難う。

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そろそろ、ヨッパライ・モードになろうと思います。みなさま、どうぞ良い年をお迎え下さい。そして、明年も宜しくお願いいたします。

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鶴屋吉信 京都本店