備忘録 2020.9.30
ルーメンギャラリー (2F) 9/23〜10/4
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三宅章介さんの『切妻屋根の痕跡のための類型学 III / LIVE』を拝見した。これまでの連作を赤瀬川原平「超芸術トマソン」系の「影タイプ」採取と照らし合わせていたが、今回の展示で驚きや発見ではなく、氏がこれまで追いかけてこられた「消え去るイメージ」に繋がるものと理解した。街路に置いたデジタルカメラから送られた映像(9/23、9/27、10/3)を壁面に投影し、特大の印画紙に焼き付けながら、定着処理をしないことで、この「イメージもまた消え去ってゆく」。大掛かりな仕組みでありながら、心理的負担を観る側に求めない、作者の楽しみ方が心地よい。画廊の外では過ごしやすい風が吹いております。
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三宅さんは赤々舎から写真集を刊行された。→
18.2×25.7cm MIYAKE Akiyoshi写真集『Typology for Traces of Gable Roofs』収録図120点。 2020.9.23 赤々舎発行 定価本体3000円+税
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本書には写真家・甲斐扶佐義氏がテキストを寄せられているが、子供や美人やおばさんや、おじさん、ネコやイヌや、などの膨大なスナップ写真をものにされてこられた甲斐さんと、繋がる収集の後の「類型学」、なるほど撮影の場所と日時を記載するやり方は、やがて記録としての「価値」が立ち現れるのを願う心情を含むのだろうかと思う。---としても、写真集の表紙に用いた写真の「場所と日時」はどうなっているのだろう? 監視カメラが取り付けられているようなので小生も見られているのかしら、そして、定着されることなく、消え去る。展覧会の会場と同じような仕掛けが、写真集でも用意されているのだろうな、健康散歩も気をつけなくちゃ。