夏休みの絵日記─ 3  国立国際美術館

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グスタフ・クリムト『エミーリエ・フレーゲルの肖像』1902

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明日から12月8日(日)まで、中之島国立国際美術館で催される『ウィーン・モダン』展のレセプションに行ってきました。「世紀末芸術」は専門外ですが、昨年『マン・レイの油彩が巡る旅』を上梓した者として、19世紀末からの都市の変遷、文化の香りを楽しませていただける今回の展覧会は、クリムト、シーレと云った有名な絵画以上に建築、工芸、ファッションなどから広がる生活空間の魅力が溢れている。都市の歴史を所蔵するウィーン・ミュージアムの改修に伴う海外展示と聞いた、有り難いことである。お金かかるだろうな。入場料は一般1600円。

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モーツァルトの肖像はおかしげだけど、ウィーン会議出席者メッテルニヒアタッシュケースに付いた小さな鍵には目を止めてしまった。それと、小さな時計が埋め込まれた『王宮書斎での皇帝フランツ1世』、シューベルトのレンズが割れたメガネ、極端に胴が細いドレス、勲章が異様なリアリティを発揮する肖像画、どれもが面白い。 昨年、旅行したとき「皇后エリザベート」が大好きな新婚さんがいたのを思い出した。「第1回ウィーン分離派展ポスター」の検閲前と男性シンボルを樹木で隠した検閲後のシートなど、こちらの方向でウィーンの街を楽しんでみるのも良いかな、家人が喜ぶだろう。クリムトの『半裸で寝そべる女性』の素描が魅力的、こちらの方向に凡人はとらわれてしまいます(ハハ)。

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展覧会の目玉作品が、撮影フリーなので嬉しい。