京師得家書  袁凱

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京師得家書  袁凱 

江水三千里  
家書十五行

行行無別語
只道早歸鄕

 

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けいしにてかしょをえたり えんがい

こうすいさんぜんり,
かしょじゅうごぎょう
ぎょうぎょうべつごなく,
ただいうはやくきょうりにかえれと。

 

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<訳>

楊水江のほとりのわが故郷はここ都南京から三千里もへだたっている、その故郷のわが家から手紙がとどいた、見るとわずかに十五行のもので、どの行にも特別なことは書いてなくてただ早く家に帰って来いといっているだけだった。

 

ネットのコトバンクにると作者の袁凱(えんがい)は中国・元末明初の詩人。浙江省 (現在の上海)の人。字・景文。号・海叟。元(1271-1368)末に府吏となり,明(1368-1644)に入って洪武年間に御史になった。博学で詩にすぐれ,特に七言絶句を得意とした。袁凱は洪武帝に憎まれたため精神病と偽り職を辞し帰郷したこともあって「京師得家書」はよく知られ、差出人は妻と言われている。

 

若い友人による素直な筆跡の五言絶句には、目を細める一文字が含まれている。

 

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