総額7億8,800万円 at クリスティーズ・パリ

クリスティーズ・パリで4月11日に催されたマリオン・メイエ旧蔵品売り立て180点の総額(手数料込)は4,749,129ユーロ(邦貨換算約7億8,800万円)だった。小生が検討したデッサンは予想上限の1.63倍、手紙は8.1倍だった。── 入札はしておりません(涙)

 パリで彼女の画廊を訪ねたのは1982年6月、小さな写真『フリアポスの文鎮』を新婚旅行の記念に求めた。ご主人のマルセル・ゼルビブが亡くなられた3年後だったと記憶する。彼女の取り計らいでマン・レイの未亡人に紹介され、フェルー街のアトリエに招かれたのは、幸せなことだった。

プリアポスの文鎮→  http://blog.livedoor.jp/tokinowasuremono/archives/53132775.html

終わりなきパリ→ https://manrayist.hateblo.jp/entry/2021/10/23/060000

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 オークションが終わり、「5時間半以上続いた」セールについて『ガーディアン紙』のキム・ウイルシャーが「写真プリントの多くは競売人の最低価格に届きませんでした」と報告。そして、マン・レイの仕事を世に知らしめた国際マン・レイ協会の使命を「これは巨大なプロジェクトでしたが、すでに完了しました……世の中には私達が知らないことはほとんどありません……」と彼女の言葉を引用、さらに「私は60年間、マン・レイに人生を捧げてきましたが、彼はもう私を必要にしていないように感じています。終わったのです、目的は達成しました」と結んでいる。


優しいジュリエット→ http://blog.livedoor.jp/tokinowasuremono/archives/53477878.html


 マリオン・メイエは多くの展覧会を組織し、世界中の人々にマン・レイの作品、思想、人生を紹介した。「マン・レイ的な生き方」に共鳴した人も多いと思う。マン・レイの人生を我が身に置き換え生きている身としては、まだ、1960年代の彼に伴走しているにすぎない「これから忙しくなるぞ」と身震いしているのですよ(ハハ)