南仏紀行-18 ル・ルレ・サン・ミッシェル

2006年3月8日(水)

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トゥールはロワール地方の中心都市で学生が多いと云うが、ホテルの立地が判らない。ロワール川から直角に伸びるジラード通り二四七番地と云うから川から随分離れていると思う。朝の りに出て幾つかの道を超えアタックと云う名前のスーパーへ。家人達にとって現地の日用品を買うのは楽しみであるようだ。(84頁)

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ブルターニュ半島とノルマンデイー半島が れる付け根の辺りで、黒い塊に向かってバスは進んで行く。これが、周遊最大の観光地、モン・サン・ミッシェルへと続く最後の道程である。湿地帯に降りてなおも進み、一時過ぎ、バスは四つ星ホテル・レストラン、ル・ルレ・サン・ミッシェルの駐車場に到着した。(86頁)

 

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一時過ぎ、バスは四つ星ホテル・レストラン、ル・ルレ・サン・ミッシェルの駐車場に到着した。食事を提供する広いホールは前 ガラス張りで、岩山を正 に望む最高のロケーション、洗練されたサービスを受ける。当地名物のオムレツはメレンゲ状のクレープがたっぷりかかって美味しい。このレストラン、島内で知られるラ・メール・プラールの経営であるようだ。メインの皿はサーモンでライスとの付け合わせに茸ソース。デザートは洋梨のムースで橙、赤、白の三色ソースがかかっている。(86頁)

 

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食後、クウェスノン川の堤防に上がり記念写真を撮る。横殴りの強風にさらされながら、この場所に家族と共に訪れた幸せを感じた。(88頁)

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『吉原英里』展 at ときの忘れもの

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案内状を頂き楽しみにしていた吉原英里さんの展覧会「不在の部屋」は、5月12日(水)〜27日(木)へと会期変更となっています。緊急事態宣言発令が延長されたと報道にありますので、さらに変更の可能性も、詳しくはときの忘れもののホームページなどでご確認ください。

 

壬生狂言の近くで

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昨日は雨、それでも、健康散歩はかかせません---で、綾小路を通りますと「カンデンデン」と大念仏会が聞こえてきました。それで、しばらく「炮烙割」を鑑賞(今年はコロナ対策で事前予約での公開、狂言堂の脇から遠目です)。

 

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壬生寺

南仏紀行-17 シュノンソー城

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次ぎの目的地、シュノンソー城に向かう。雨粒が窓を打つどんよりとした三月。王侯貴族の愛憎劇が土地をめぐる。夢とおとぎ話のシンデレラは映画の中から抜け出し森のどこかに潜んだようだ。バスを降りたわたし達はプラタナスの並木を連れ立って進む。視線の先には美しい城。(75頁)

 

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シュノンソー城は代々の城主が女性だったことから「六人の女の城」として知られている。国王アンリⅡ世の家庭教師で二十歳も年上でありながら、変わることのない美貌で王の寵愛を得たディアーヌ・ド・ポワティエが、一五四七年に城を贈与される。(76頁)


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さて、四時二〇分から与えられた自由時間は一時間。愛人と正妻、二つの庭園を歩いてみるが、今日は雨、水たまりが沢山できて、川の水位も上昇している。(80頁)

 

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白とスレート色のタイル張り市松模様の床で梁の見える天井。ここに入った時、光の様子も作用していたのだろうが、マン・レイのデッサン『日曜日の放浪者』(一九三七年)を連想した。後で知ったが第二次世界大戦の時、城の入口は占領地区内にあったが、ギャラリーの南側の扉は非占領地区に通じていたと云う。(78頁)

 

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[ル・コレッジョ 愛の教育] (78頁)

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しかし、王が馬上槍試合で命を落とした後は、正妻のカトリーヌ・ド・メディシスに城を追い出されてしまう。(76頁)

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 城の出口でパリからやって来た日本人ツーリストの一行と出会う。添乗員が聞いた情報では、「パリでストライキがありルーブルが閉鎖された」との事。フランスでは突然、ストライキが始まり、いつまでも続く。よくあるらしいが、観光客には辛い。(80頁)

南仏紀行-16 ロレ・ド・シャンポール

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さて、昼食は城から三キロメートル離れた田舎屋、ロレ・ド・シャンボール。内部には梁の太い木材が使われている。(72頁)

 

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暖炉で燃える赤い炎を見ていると、広いホールが暖められているのを感じる。その暖炉の上には鉄製のアイロンが並べられている。数えてみると十三個、メーカーは異なるがほとんど同じ大きさである。マン・レイが後年のオブジェに使ったのと同じメーカーの物を探したが確認できなかった。(73頁)

 

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南仏紀行-15 シャンポール城

2006年3月7日(火)

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モーニングコール五時十五分、出発六時。今日はロワールに向けて五五〇キロのバス移動。日本なら京都から東京を超え水戸まで行ける。空は暗い。(68頁)

 

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駐車場に戻ると小学生の一団がフランスパンを頬張っての昼ご飯。カメラを向けるとポーズをとってくれた。どこでも子供達は可愛い、わたし達の二人にもこんな時代があったのだと思う。(72頁)

 

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城の前には森を切り開きどこまでも続く一本の道。切り開かれた樹木、地形の高さ等、完璧な左右対称となっているが、遠近法的風景の恐ろしさでもある。足元には雪が残り、風は冷たい。一六世紀、パリとこの城を結ぶ直線を地図上に引き、土地の起伏、岩石の有無、工事の難易度とは無関係に権力者によって、権力を誇示するために造られた道。馬に跨った騎士や貴族、輿に乗って運ばれる貴婦人を、召使いや奴隷の一団が随行して取り囲んだ。一本の道をやって来た城主は、その道をパリまで帰っていく。封建時代の飾り、権力の象徴として造られた城。(71頁)

『贈り物』四点セット at 岡崎公園

今日から5月、予定では古書市に参戦していたのに---

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先日、図書館で調べ物をした帰りに平安神宮側に出たところ、アンティークフェアに遭遇。知らなかったけど「平安蚤の市」と云う催しで毎月10日前後に100店舗以上が出店されると云う。ひやかしだけですが、おフランスの鉄製アイロンが並んでおりました。欲しいけど、ちょっと形式が違うのよね。

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その後、ルパン氏にリーフレットの査読を依頼。まったりと珈琲を飲んでおりました。

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古書ヘリング at 岡崎・平安神宮

グルグル・健康散歩

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4月14日 5,226

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25日(日)の発出(発令)から来月11日(火)までの緊急事態措置。岡崎・都メッセでの古書市も中止となり、ほんま、わやでんな。役所言葉の「発出」なんて、これまで聞かなかった。「なじみが薄く、分かりにくい言葉に」わざと言い換えているのではと疑いたくなる。期間が延長されるのではと心配ばかり。

 

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4月11日 2,285歩

 

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4月15日 6,593歩

 

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4月12日 6,853

南仏紀行-14 リヨン

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街に入るとローヌ川に沿って高さの揃った古い建物が連なっている。黄昏れ時の都会は素敵だ。様々な人々を車窓から眺め、生活や人生を想像するのは興味深い。(62頁)

 

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出された料理はキュシュのサラダ、メインの皿はボルドー白身魚、デザートはチョコレート・ケーキとフレンチ・ロールのカスタード・クリーム。店内を見ると一人で食事をしている中年婦人の手許に、NRFの書物、タイトルまでは読みとれなかった。(62頁)

 

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ヨーロッパのホテルにはよくあるらしいが、渡された鍵で開けるのにコツがいる。「ガチャガチャしてれば開くよ」といった訳にはいかないのだ。(63頁)

南仏紀行-13 アヴィニヨン

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何処が入口だろうかと思う程続いた後、左に折れてレプュブリク門をくぐった。旧市街は一直線で法王庁の方へ続いている。今は冬の季節、芽吹き前の街路樹はキュビスムの絵画だ。(57頁)

 

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市役所前のロルロージュ広場には観覧車、細い通りに入って法王庁宮殿に出た。白い石造りの要塞のような建物が窪地になった空間から始まって奇妙な感じだ。青い空につながって金色のマリア像。(58頁)

 

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ブラッスリー・ル・シントラはジャン・ジョレス大通りに入って直ぐの左手にある。ガラス張りのカフェ・スペースから店内に入るとマハラジャに仕えるインド像のタペストリーが飾られたエキゾチックな内装。時間は一時過ぎ、飲み物を聞いて回るギャルソンは、要領が悪くて把握できないままテーブルクロスにオーダーを直接書きつける。(57頁)

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わたしの方もフランスの書店チェーンのフナックが途中にあったのをチェックしていたので覗いてみる。一階はCD、ビデオ、二階が書籍で、アートの棚でマン・レイを捜した。近年刊行の廉価版、画集や写真集が見つかると期待していたが、何も見つからない。それで、若い女性に尋ねてみたが、ダメだった。(58頁)

 

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 集合場所に指定されたロルロージュ広場をポプラがぐるりと囲む。今は風が強い季節なので椅子やテーブルはかたづけられている。やがて春が訪れると、人々は集まり身体と心を解き放って光を浴びるだろう。(61頁)

南仏紀行-12 アルル

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国旗が掲げられているのが市庁舎で、空はどこまでも青い。(48頁)

 

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一〇〇年の後、壁を黄色に塗って「光」を抹殺した観光地の名所は「カフェ・ヴァン・ゴーグ」と名乗ってわたしたちを迎え入れる。壁の黄色は過剰な演出、夜空に輝く星の光が地上に反射して明るく照らすといった昼夜にわたるサービスぶり、それもしかたないか。(54頁)

南仏紀行-11 サン・トロフィーム教会

2006年3月6日(月)

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ジョン・ジョレス通りを進んで革命広場へ。中世の石畳の上にオダリスクと噴水。四方に向かってライオン、モーゼの口からは清い水が落ちている。(48頁)

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右手にあるのは、正面のポルタイユ(装飾彫刻のある門)が素晴らしいサン・トロフィーム教会。扉を開けると老人が一人、ナルテックスからわたし達を奥へと導いてくれた。(48頁)

 

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聖堂内部に他の人影はなく、自然の光が側廊に満ち溢れ、信仰の重さが床の辺りに漂っている。ロマネスクとゴシックが混在するこの教会では、ステンドグラスの色 は控えめで、交差部の辺りでも光は本来の姿を留め、中世からの祈りの時間を封印している。(48頁)

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