東華菜館で出版記念小宴

今日から10月、涼しくなって良い気分。昼前、四条河原町に出掛けて高島屋のウインドーを観たら現代美術の展示が行われている。「一澤信三郎帆布」製の白い大型カバンの布地を使って、画家やデザイナーや陶芸家の著名人(細川護熙・松井利夫・椿昇ヤノベケンジ・宮島達男・武内昭・服部滋樹・酒井洋輔・抜水摩耶・村林由貴)が震災復興を願った絵を描いている。「アートカバンオークション」と題して明日2日、チォリティーオークションが開かれ、全額が被災地へ寄付されると云う。交差点を渡ったマルイの前では可愛い着ぐるみ達、その横に上等の舞妓さん、赤い羽根募金が始まっているのだ。---品がないのでカメラは向けなかった。

椿昇

ヤノベケンジ

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今日の外出は家人と共に知人夫婦とで、『三條廣道辺り---戦前京都の詩人たち』の上梓を祝う小宴。この場合、会場は四条大橋西詰めの東華菜館(大正末年竣工の南仏料理店・矢尾政)でなければならない---この店で天野隆一、相澤等、左近司の合同詩集『公爵と港』の出版記念会(1928年)が開かれた訳だからね。微風が鴨川から四階の客席まで流れて東山の緑も美しい。先日からの猛暑や大雨の後には、一息つけて幸せである。生ビール片手に同世代のご夫婦と、親や子供や仕事や古里の話題などが始まって料理の注文がしぼれない。

東華菜館の全景は京都写真クラブ総会(7月10日)の折に撮影。

冷葷--(前菜の盛り合せ)

糖醋肉--スブタ(豚肉の揚げ物甘酢葛掛け) 軟炸鶏--(鶏肉の揚げ物) 麻婆豆腐--マーボードウフ 炸春捲--ハルマキ(豚肉と野菜の玉子巻き揚げ)

餞地瓜--サツマイモの飴煮 杏仁豆腐--アンニンドウフ 芒果布丁--マンゴープリン
会話に京都のフランスパンやマン・レイ情報、画廊や書店、それに書道の話題なども加わり、東山を眺めつつ北京料理を楽しく美味しくいただいた--還暦前の胃袋にはあっさりとした味付けがありがたい。食後、日本最古のエレベーター(1924年米国製)を降り、1階のホールで記念写真を撮ってもらった。