モナリザの父


ギャラリー白川

Man Ray, The Father of Mona Lisa(SMS #3)
マン・レイの友人だったウイリアム・コプリーが版元になって1968年に刊行されたマルチプル作品集「S・M・S」(Shit Must Stop)の展覧会が安井金比羅宮ギャラリー白川で開かれていると聞いたので拝見。『マルチプルで楽しむアメリカンアートの巨匠たち』と題した展示(9月28日迄)。6冊の作品集をバラして販売されるとの情報だったので、マン・レイのマルチプルがいかほどで掛けられているのか気になった訳。
 高台寺に向かって進み左の細い道に入ると直ぐに画廊は見付かった。会場中央に掛けられたデュシャンの作品を囲んだ祭壇のようで面白い。昔、リブレリアルカードで一箱毎、拝見させていただいたけど、額装されて並べられていると迫力がある。

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Richard Hamiltons, A Postal Card for Mother(SMS #1)  Marcel Duchamp, Contrepeterie Record(SMS #2) など

James Lee Byars, Black Dress(SMS #1) など

画廊のオーナーにお聞きすると、価格は話し合いで決めましょうとの事。海外での相場などをお互い勘案しながら交渉となる訳だが、11月の「マン・レイ」オークションを控えている身としては、撤退作戦となってしまい申し訳ないと思った。オーナーはジョン・ケージが専門で、この道30年、多くの優品を美術館などに収めた実績があると云う。たまたま、バラして提供する事になったが、このシリーズに参加した多くの作家が後に有名になり、価格も高騰しているとの説明だった。アメリカが元気だった時代、彼女は「彼らの自由な発想から生まれてくる作品を観ていると現代アートが、ここからはじまったことを強く感じます。」と案内状に書いている。

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 その後、石塀小路を抜けて高台寺から円山公園へブラブラ。気持ちの良いお天気で光の加減もよろしく、最高の散歩となった。「モナリザのお父さん」欲しいけどね---

石塀小路

龍池山大雲院