ルカス・クラナーハ展 at 国立国際美術館

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国立西洋美術館から巡回されてきた「クラナーハ展」が明日から4月16日(日)までの会期で、大阪中之島国立国際美術館で開かれる。本日はその内覧会。澁澤龍彦の著書に引用された図版でクラクラした裸婦の現物が観れるなんて(ウィーンの美術史美術館が改修中だったから)と、楽しみに出かけた(当然、ギャラリースコープ持参です)。

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開会の挨拶をされるザビーネ・ハーク(ウィーン美術史美術館総館長)さん

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クラナーハが描いた裸婦から漂うエロスは「官能的かつ甘美」と称されるけど、少女のようなプロポーションは、わたしたちが考える、豊潤で理想的な肢体からほど遠く、視覚に奉仕する独特のもので、少年愛に繋がるように思える。そのために、つい、陰部に目を凝らしてしまった(正面からはっきり見えてしまうのです---女児特有の形態でしょうか)、陰毛の細密描写など装飾的でたまりません。これが、透きとおった布の奥に秘されているあんばいなのです。大きな空間で「ヴィーナス」を観て振り返ると、ついの位置に「ルクレティア」が展示されている。わたしと同じように画面を舐めるように観入る高名な現代美術家もいて、クラナーハの魅力にみんなやられてしまうんだなと、親近感を持った。


すれ違う阪急電車にクラナーハ様式の女性、乗っているかしら。