京都郵便電信局(現・中京郵便局)-2

in『モダン建築の京都』展 2021.9.25-12.26f:id:manrayist:20211118225336j:plain京都郵便電信局(現・中京郵便局) 中央階段 設計時の郵便輸送が駅逓馬車等によった為、郵便受け渡し口は約190cmの馬車の高さから9段となっている。

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f:id:manrayist:20211118225355j:plain窓枠の青色部分は平板防火シャッターの溝

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 中京郵便局は老巧化などから1973年に局舎建て替えを発表、これが景観論争へと発展した。建築学会は「全面保存が困難な場合には街路に面した外壁保存の手法がありうることを主張した。これに対して郵政省側は構造と意匠の分離をよしとしない建築観から抵抗した」(石田潤一郎、展覧会副読本 p.305)。

 当初のニ階建内側に修復(新築)する三階建部分を組み込み、取り壊し新築する別館三階と接合し、窓配置などの関係で局員の居住性を確保できないと懸念されたが、もともとの床面高(前述した駅逓馬車など)から解決したアイデアなど、建築家の知恵を感じる。小生、名古屋時代に三年間、郵便局で年賀状配達のバイトをしていたのです。局内の様子、身近なんですよ。

 尚、日本最初のファサード保存などが評価され、1979年日本建築学会業績賞受賞。

 

[ときの忘れもの拙稿] 『小さなカタログ、見上げる建築』 『親しげなヴォーリズ建築』