幸(さいわい)天満宮は、島原西門(跡)にある住吉神社の境内社、当初は揚屋町の会所に天神の祠があり、亨保十九年(1734)当所に遷座したもの。延享五年(1748)より鷽替(うそかえ)の神事が営まれ、これは、色紙、短冊などを持ち集まり、「鷽を替えん」と言いつつ取り交わす甚た興あるもので、諸客の見物で賑わったと云うが、明治以降は完全に廃れた(祠前の石碑より文意引用・島原伝統保存会)。
雲なく 神の光もやわらぎて ちりづか山に 交る瑞垣 富士谷成章
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富士谷成章(1738-1779)は江戸時代中期の国学者、ウィキによれば漢学を兄の皆川淇園に、和歌を有栖川宮職仁親王に学んだ。国語学者として国語の時代区分・品詞分類などに功績を残し、特に和歌の変遷を示した著書で知られる。
別の石碑にも成章の歌が刻まれていた。色里の趣きが、ただよい良い塩梅です。
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花の色は いひこそ知らぬ咲きみちて 山寺遠く 匂ふ春風
住吉の 松の常磐に春はなほ 色香あらそふ 神垣の梅
島原住吉神社