オーストリア応用美術博物館 ── 8日(土)

大学からウィーン川を渡りオーストリア応用美術博物館へ。

オーストリア応用美術博物館(MAK)は、フランツ・ヨーゼフ1世時代の1863年オーストリア芸術産業博物館として設立されたリンク通り沿いの豪華な建物。収集品は中世から現代に至る家具、ガラス製品、陶磁器、銀製品、織物など凡そ90万点。1900年代初頭の曲げ木の椅子、ウィーン工房の家具や食器、工芸品の充実に目を見張る。小生はグラフィック作品や書棚などに感嘆、奥様は椅子と食器に惹かれております。

上図の現代美術展示 アーティスト集団トロイカ『Terminal Beach』8月11日迄
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 資料によるとトロイカは3名で2003年ロンドンを拠点に設立。今回のデジタルアニメーション作品は「毛皮で覆われたロボットアームが地球上の最後の木を倒す」風景から「気候変動に対する生物の(不適切な)適応の可能性について疑問を投げかけるだけでなく、人間の神話、文化、歴史のデジタルな死後の世界についても疑問を投げかけ」ている。水面に反射するロボットの動きが終末を予感させる不思議な体験だった。

 

トーネットの曲げ木椅子

シルエット展示 ── 大阪中之島美術館の開館展示(2022年)第3章のアイデアと繋がるか、機会があればHさんに尋ねてみたい。

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東アジアコレクションの一部を公開する展示ルーム「MAKショーコレクション・アジア」は美術家・川俣正の構成、斬新だけど、東洋美術の文脈がじゃまをするのか、小生には見づらい。

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[メモ]

ウィキによると1830年代前半にドイツのミヒャエル・トーネット(1796-1873)が開発、特許を取った「曲木」の加工方法は「椅子の笠木の部分などに利用していた薄板を曲げて接着する成型合板の技術を、ブナの無垢材を蒸し、柔らかくなったものを鉄枠(治具)に沿って曲げて形状を固定する」もので、「トーネットの曲げ木椅子」として工場での大量生産が可能となった。代表的な「コンサムスツール」(14番、現214番)は19世紀に凡そ5000万脚が売れたという。トーネットの製品は現在でも生産されており、YAMAGIWA扱いの214番純正品で24万円程度。拙宅にはありません。