国立新美術館、日月堂、早稲田

manrayist2007-03-31

 品川駅9時45分着の「のぞみ60号」で上京。山手線を原宿で降り、千代田線乃木坂駅へ。今回は国立新美術館で開催中の「異邦人(エトランジェ)たちのパリ 1900 − 2005 ポンピドー・センター所蔵作品展」を観たいと計画。下車してホーム後方から上がると美術館のエントランスだった。マン・レイの写真は会場の第一コーナー。『黒と白』や『メレット・オッペンハイム』などの見慣れた数点だが、コンタクト・プリントも展示されている。これが写真本来の姿だが、しっかりした作品を見たかったな。この展覧会ではアルトウング、ザ・ウーキー、アンタイ、ポリアコフ、タキスなどの現物に接することが出来て有意義だった。このひと達の絵肌は画集では判らない。そして、各コーナーの基調色となる写真が効果的に使われた展示で感心させられた。1Fのテラスでサンドウィッチをほうばった後、ティンゲリーの動く彫刻『メタNo.3』の12時30分から2分間の実演を楽しんで外に出た。

 一駅戻って青山で下車し、紙ものが大好きなSさんがやっている日月堂をのぞく。根津美術館向かいのマンション2階の一室がニ店舗に別れていて、正面が彼女の店。赤く塗られた棚に興味深い書籍がわんさか。美術系のものも多い。好みの世界は店主と「どんぴしゃ」とならない場合が多いが、Sさんとは合いそうだ。フランスの紙ものの素晴らしさを語りだしたら、お互い、はてしない。不動産屋の広告ポスターに貼られた印紙と印刷の関係なんて、他の人達には興味の対象外だろうが、わたし達(?)には論文が一本書けてしまう程の大問題だ。挨拶がわりに今橋映子さんの『パリ・貧困と街路の詩学』(都市出版株式会社、1998年刊)を求めた。

 パリの古いメトロ切符(ボール紙製)が美しくラップされて置かれた不思議な空間。3時近くになり、名残惜しいが次の予定がせまっている。Sさんに頂いた飴玉を口に掘り込んで外に出た。

 山手線で高田馬場へ出て、早稲田の古書店街を探索する。20年は来てないかな。懐かしいがゆっくり探せなくて残念。この街に来たのはH大学の教室を会場に開催される『ダダ・シュルレアリスム研究会』の集まりに参加する為である。


 日月堂のホームページ  http://www.nichigetu-do.com/info/access.php