『京都写真展』 明日24日(日)まで。

19日(火)から始まったギャラリーマロニエでの『京都写真展』も明日、24日(日)が最終日となった。まだ、ご高覧いただけていない方には、「河原町にお出かけでしたら、ちょっと覗いて」とお願いしたい。もちろん、今年は参加人数が増えたので、観覧者も多くなったと思う。新しい刺激が交互に発生して、みなさんの新しい年を迎える元気の基になったのではと思う(まだ、一日あります)。わたしの場合は、例年、他の人の出品作に刺激を受けながら、この時期に翌年のアイデアが決まってくる。2018年度の出品作品は、もう、きめちゃった(ハハ)。
 24日(日)の展示は18:00迄。尚、ギャラリーマロニエを会場にしたレセプション・パーティが13:00-15:00、The Photo 忘年会"PHOTO NOEL"(一人一品持ち寄り)が19:00-21:00の予定で開かれる。お時間がありましたらお友達お誘いのうえ、どうぞご参加を!!

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 さて、初日に上洛された名古屋の写真家に「どの人のが良かった」と尋ねたら吉川恭生氏の『Vincent, what do you want to know ?』をあげられた。「なるほど、そうだね、オシャレだし僕もそう思う」--- 参加者は誰もが自分が一番だと思っているけど、それぞれが刺激を受けたのはどれだろう、各階を見て回りながら幾つかの作品にカメラを向けた。プロからアマ、ファッションからドキュメント、そして現代美術と幅広い『京都写真展』の中で、 永田義博氏の『24°N/124°Eより西表島を望む』は、コメントの「2017年7月7日 19時27分」も好ましく、写真らしくて、眼が喜びますな。

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5階

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森岡誠『petite』

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4階

金澤徹(左)、金井杜道(右)

オカダミツヨ『MIDNIGHT』

安田雅和『Photography』

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3階 

小池貴之「香港漫万歩き」

奥野政司「1990-1991」(左)、レーン・ディコ「田・島・山」(右)

村中 修「光の記憶」(左)、山崎正文「「」「1」「3」「5」」(右)

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夜野 悠「廃墟の時間」

山崎正文「「」「1」「3」「5」」---部分

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 今回の展示作品の中で、特に気にかかったのは上に掲げた5枚組の写真。タイトルが「「」「1」「3」「5」」コメントには「「」は、/「1」は、/「3」は、/「5」は、/「名前」「住所」「個人」「電話」」とあって、これは、判らない、咀嚼の手掛かりが、かえって混乱を招く。ロシア・アバンギャルド風の紙面構成でありながら、どこか違う、「数字」の訴求力と相俟った不思議な図像、糊が塗り込められた写真、きっと古い素材をコラージュしたのだろうけど、これを観た人から「他の人と雰囲気が違って、若い人ですか?」と尋ねられた、旧知の古書店主は親愛を込めて「謎だ!」と告げ、現代美術に詳しい方は「斎藤義重みたい」とコメントを入れた。還暦を過ぎた作者に伺うと「写真を始めた、原点に回帰した」との事。---どうなんだろうか、「若い感性」といえるけど、この作品には、「母を失った子供と、妻を亡くした写真家、三人の家族の物語」が「写真」の後ろ側に塗り込められている。複雑で有りながら、カラフルな色彩、不可解でありながら伸び伸びとした数字の形象、しっかりした作品を観せていただけて嬉しかった。有難う。---で、来年はどんなの出品するの?