ホテルの部屋からトラムをパチリ、良いですな。幸せ。
---
旅行前に午睡書架の廣瀬氏と話していたら、チェコの作家、インドリッヒ・ シュティルスキー(1914-1953)の写真集『この日々の針について』を紹介された。1930年代の写真とインドジフ・ハイスラー(1899-1942)の長編散文詩を組み合わせた構成で「1941年にナチス占領下のプラハで極少数の地下出版として密かに出版された」ものの再版(Twisted Spoon Press, Prague 2024)だという。上掲の写真など記憶していたイメージであるし、ショーウィンドウの怪しげなプラハは、とりあげられた言語をかろうじて許された人形劇の操り人のように思える。2024年の街に、こんな光景があるとは、もちろん思っていないけど、プラハに到着したら、パチリしたいのですな。でも、奥様が夜の彷徨を許してはくれません。
[メモ]
上掲51頁の写真は阿部賢一著『複数形のプラハ』(人文書院、2012年)の表紙に使われていたので、特に記憶していた。氏はシュルレアリスムの影響を述べるとともに「アジェ、そしてシュティルスキーともに、都市には稀有な静謐さが画面を支配しているが、アジェにおいては「場」に対する叙情的な眼差しが感じられるのに対し、シュティルスキーにおいては、「場」よりも、オブジェに対する偏執的な眼差しが見られる。シュティルスキーが捉えていくそのようなオブジェとは欲望のオブジェに他ならない」(196頁)と指摘している。