美術史博物館 フェルメール ── 8日(土)

09:40 

 正面階段ホール上部にはクリムト描く女神たち。前回(2018年)はクリムト没後100年を祝う特別展示で臨時階段が掛けられ間近から鑑賞しました。

ヨハネス・フェルメール(1632-1675)『絵画芸術』1666-1667年 120×100cm
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 レクチャーは「この大きなフェルメールは美術史美術館から動くことは、もうないと思います (2004年に招来され東京と神戸で展示された)。古いネーデルランドの地図を背景に立つブルーの衣装の女性は歴史を司る女神クリオで土地の栄光を寓意しています。絵画芸術の役割になりますね。彼女の美しさは絵の具の原石・ラピスラズリがもたらしているかもしれません、これです、高価なものです。フェルメールはカメラ・オブスクラを使って描いたようで、印を画面で確認することができます。こことか」。手提げ袋から、いろいろ小道具がでてきます。

 本作の来歴は「フェルメールの未亡人が母親に贈呈、オークションに掛けられた後、1813 年ルドルフ・ツェルニン伯爵、ツェルニン伯爵のギャラリーなどを変遷。1940年に、ウィーンで画家になれなかった美術ファン(?)アドルフ・ヒトラーに略奪されたものの、1945年5月救出、ミュンヘン収集所、1946年11月7日に美術史美術館に引き渡され、1958年にコレクションに加えられた」と解説。ハルシュタット近くの塩鉱山の坑道に隠された略奪美術品や救出したアメリカ兵の映像などが示された。上掲のヒトラーリンツに作るつもりの「総統美術館」模型を見ているところ。

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美術史美術館のフェルメール作品が掛けられた裏の壁面をパチリ、右:  ピーテル・デ・ホーホ『授乳中の母親と子供、そして召使い』(1663-1665)

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 「フェルメールは長く忘れられた画家で、最初は上掲の画家の名前(Pieter de Hooch)で発表していた」と、ガイド嬢。